昭和基地NOW!! 2017年12月4日
国立極地研究所
氷を入れて持ち帰るためのダンボールを組み立てます
この日は中ダンボール100個
南極の氷を見たり触れたりしたことはありますか?
国内では日本に居ながら南極の氷に触れることのできる様々なイベントが企画されています。それらの氷は氷山の一部です。南極大陸に降り積もった雪は長い年月をかけて圧縮されて氷になり、大陸でできた氷は徐々に沿岸部へと移動し海に流れ出て氷山となります。氷の中には雪が降り積もった当時の空気が閉じ込められています。
南極観測隊では毎年越冬期間の終盤に日本へ持ち帰る氷を採取していて、この作業をアイスオペレーションと呼んでいます。氷山によって氷に含まれる気泡の状態も様々です。58次では事前にいくつかの氷山の下見をして採取する氷山の候補を決めていました。今回はその内の一つの氷山に雪上車と橇で出かけて人力で氷山を砕いて氷を採取しました。氷点下の気温で風が吹く中、総量1トンにもなる氷を砕いてダンボールに入れるのはかなりの重労働でした。
今回持ち帰る太古の空気の含まれた氷が皆さんの目に触れ、南極や地球の環境を考える切っ掛けになれば幸いです。
ダンボールを積み込んだソリと雪上車で氷山へ向かいます
氷を削る人、箱に入れる人、重さを量る人、封をする人に役割分担して作業を進めます
硬い氷をツルハシを使って削ります
作業が終わってほっと一息(コーヒータイム)