超高温・超短周期の海王星型惑星を発見

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2020-09-22 東京大学,自然科学研究機構 アストロバイオロジーセンター,科学技術振興機構

ポイント

  • 公転周期が19時間しかない超高温・超短周期の海王星型惑星LTT 9779 bを発見した。
  • LTT 9779 bは、これまで海王星型惑星が発見されていなかった「海王星砂漠」と呼ばれる超短周期の軌道で発見された。
  • この惑星は、超高温となった海王星型惑星の大気を調べる絶好の観測ターゲットとなる。
東京大学 大学院総合文化研究科附属先進科学研究機構の成田 憲保 教授、大学院理学系研究科 天文学専攻の田村 元秀 教授らの参加する国際研究チームは、NASAが打ち上げたトランジット惑星探索衛星TESSと地上望遠鏡の連携した観測により、公転周期が19時間しかなく、惑星の温度が摂氏1700度を超えると見込まれる超高温・超短周期の海王星型惑星LTT 9779 bを発見しました。

LTT 9779 bは、半径は地球の約4.7倍、質量は地球の約29倍で、海王星をやや大きくしたような系外惑星です。2020年までに4000個を超える系外惑星が発見されてきましたが、これまで公転周期が1日未満の海王星型惑星が発見されたことはなく、そのような超短周期の軌道は「海王星砂漠」とも呼ばれていました。今回発見されたLTT 9779 bは、海王星砂漠で初めて発見された海王星型惑星です。LTT 9779 bは、超高温となった海王星型惑星がどのような性質の大気を持つのか、また、どのように生まれたのかを詳しく調べる絶好の観測ターゲットになります。

本研究成果は2020年9月21日(英国夏時間)、国際科学雑誌「Nature Astronomy」にオンライン掲載されます。

本研究は、科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 さきがけ 研究領域「計測技術と高度情報処理の融合によるインテリジェント計測・解析手法の開発と応用」における研究課題「多色同時撮像観測と高精度解析による第二の地球たちの探査」(研究者:成田 憲保、課題番号:JPMJPR1775)の支援を受けています。

詳しい資料は≫

<論文タイトル>

“An Ultra Hot Neptune in the Neptune Desert”
DOI:10.1038/s41550-020-1142-z

<お問い合わせ先>

<研究に関すること>

成田 憲保(ナリタ ノリオ)

東京大学 大学院総合文化研究科附属先進科学研究機構 教授

科学技術振興機構 さきがけ研究者(兼任)

自然科学研究機構 アストロバイオロジーセンター 客員教授

<JST事業に関すること>

嶋林 ゆう子(シマバヤシ ユウコ)

科学技術振興機構 戦略研究推進部 グリーンイノベーショングループ

<報道担当>

科学技術振興機構 広報課

1701物理及び化学
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