2020-08-28 防災科学技術研究所
一般社団法人 日本損害保険協会(会長:広瀬 伸一、以下「損保協会」)と国立研究開発法人 防災科学技術研究所(理事長:林 春男、以下「防災科研」)では、災害関連データを活用したデジタルコンテンツ「地震10秒診断」を8月28日から公開します。
本デジタルコンテンツにおいて、防災科研は、地震の予測データとライフラインの支障日数シミュレーションデータ等を損保協会に提供します。また損保協会は、利用者の位置情報を基に防災科研から提供されるデータから、その場所の今後30年以内に、震度5弱~震度7までの5段階の揺れに見舞われる確率及びライフラインの復旧にかかる期間などの数値を抽出し、「地震10秒診断」の結果として「地震保険特設サイト」に掲載します。
例として、「東京都中央区銀座3丁目」で「地震10秒診断」を実施した場合、今後30年以内に、震度6強以上の揺れに見舞われる確率が32%、ライフラインが復旧するまでに、停電日数が5日間、ガス停止日数が27日間、断水日数は41日間に及ぶことなどが表示されます。
利用者の位置情報に連動した結果を提供することで、地震が起きた後の生活再建について、よりリアルにイメージし、地震への備えを自分ごととして考えてもらう“きっかけ”を提供します。
デジタルコンテンツ「地震10秒診断」
「地震10秒診断」は、アクセスする利用者の現在位置において、今後30年以内に震度5弱~震度7までの5段階の揺れに見舞われる確率を表示。その規模の地震が起きた場合に想定される、①停電日数、②ガス停止日数、③断水日数、④家屋の全壊確率(木造及び鉄骨コンクリート造)、⑤出火確率の5種類のシミュレーション結果を提供します。
利用者が「現在地で診断」ボタンをワンタップするだけで、簡単に結果を見ることができ、ライフラインの復旧予測は「早い」・「平均」・「遅い」の3段階、家屋の全壊確率は「木造」と「鉄筋コンクリート造」を切り替えて結果を表示できます。
※本コンテンツの利用は、日本国内に限られます。
- ●「地震10秒診断」
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地震10秒診断
本診断結果は防災科研の研究成果に基づき算出しています。必ずしも診断結果どおりの被害が発生するものではありません。
参考情報
- ●防災科学技術研究所とは
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昭和38年に設立された自然災害と防災に関する研究を行う文部科学省所管の研究所です。
災害から人命を守り、災害に強い社会を実現するための科学技術を発展させることを目指して、約1800か所に設置された地震計による地震観測のほか、地震やその被害予測、火山噴火予知の研究、その他の自然災害の予測研究などを行っています。
- 【基本情報】
- 名 称:国立研究開発法人 防災科学技術研究所
所在地:茨城県つくば市天王台3-1(本所)
- ●地震の予測データについて
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防災科研は、日本及びその周辺で起こりうる全ての地震に対して、発生場所・規模・発生可能性に基づき各地点がどの程度の確率でどの程度揺れるのかをまとめて計算し、その分布を地図に示した、「確率論的地震動予測地図」を「J-SHIS Map」において公開しています。
「地震10秒診断」では、利用者の位置情報から防災科研が提供する「確率論的地震動予測地図」のデータを参照し、「震度(計測震度)」と「確率」を算出しています。
- J-SHIS Map
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http://www.j-shis.bosai.go.jp/map
地震ハザードステーション(J-SHIS)のJ-SHIS Mapは、地震防災に資することを目的として、日本全国の「地震ハザードの共通情報基盤」として活用されることを目指してつくられたWebマッピングシステム。
- ●ライフラインの支障日数シミュレーションについて
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防災科研は、地震の震源地や規模、地震の発生する季節や時間帯を設定して、想定される震度や被害状況、ライフラインの復旧状況などをシミュレーションするシステム「あなたのまちの直下型地震」を公開しています。
「地震10秒診断」では、利用者の位置情報から算出した計測震度を基に、「あなたのまちの直下型地震」で採用しているライフライン支障日数算出関数を使って各ライフラインの支障日数を算出しています。
今回の「地震10秒診断」の利用者からのフィードバックを得ることで更なる改良につなげていきます。
- あなたのまちの直下型地震
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https://nied-weblabo.bosai.go.jp/amcj/
身近で地震が起きた時にどのようなことが起こるのか、どのような生活が待っているのか、どのようなことに気をつけるべきかを、個人の状況に応じて考えていただくために活用されることを目指して開発された被害想定システム。