令和2年6月の地殻変動

ad

発表日時:2020年7月8日(水)16時00分 国土地理院

全国の地殻変動概況

別紙1~7は、国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた2020年5月中旬から2020年6月中旬までの1か月間の地殻変動を表したものです。東日本の広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
火山周辺では、硫黄島において地殻変動が見られます。

令和2年6月の地殻変動

トピックス
  • GNSS観測によると、2019年中頃から志摩半島で観測されている、それまでの傾向とは異なる地殻変動は、最近は鈍化しているように見えます。この変動は、志摩半島周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。(別紙8)
  • GNSS観測によると、2019年春頃から紀伊半島西部・四国東部で観測されている、それまでの傾向とは異なる地殻変動は収束したとみられます。(別紙9)
  • GNSS観測によると、2019年春頃から四国中部でそれまでの傾向とは異なる地殻変動を観測しています。この変動は四国中部周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。(別紙10)
  • 草津白根山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙11)
  • 浅間山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙12)
  • 硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」では隆起が、「硫黄島2」では南向きの変動が継続しています。(別紙13)
  • 西之島では、だいち2号によるSAR解析結果によると、6月中旬までは、火砕丘の北西側から東側にかけて溶岩の堆積等によるとみられる非干渉領域が見られ、海岸線に達しています。また、これら付近では溶岩等によるとみられる地形変化が見られ、海岸線に達しています。さらに、火砕丘の北西側から東側にわたる広い範囲で、堆積した溶岩の経時変化等によるとみられる複雑な変動が見られます。特に活発な噴火が確認されている6月中旬以降では、島の広い範囲で溶岩や降灰等によるとみられる非干渉領域が見られ、南西側で海岸線が変化しています。また、火砕丘の直径が1.5倍程度に拡大し、南側斜面の地形変化が見られます。さらに、火砕丘の北側から東側にかけて降灰の影響とみられる領域が見られます。(別紙14)
  • 阿蘇山周辺では、阿蘇山を取り囲む基線で、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙15)
  • 霧島山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙16)
  • 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む「垂水」-「隼人」等の基線でわずかな伸びが見られます。桜島島内の基線の伸び、および、「桜島」の隆起は4月下旬頃からほぼ停滞しています。(別紙17)
  • 薩摩硫黄島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙18)
  • 口永良部島では、2020年3月頃からわずかな隆起がみられます。「上屋久2」-「口永良部島」で2015年の噴火後から見られた長期的な縮みは、2018年半ば頃からほぼ停滞しています。(別紙19)
  • 諏訪之瀬島では、「十島」で見られていた、南東方向の小さな変動は2020年3月頃から鈍化しています。(別紙20)
補足説明
  • 全国の1年間の地殻変動(2019年6月中旬から2020年6月中旬まで、別紙21)からは、以下のような傾向が見られます。
    • 東北から関東・中部までの広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
    • 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
    • その他の地方では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。
別紙一覧
問い合わせ先

国土交通省国土地理院
地震調査官     黒石 裕樹

測地観測センター  地殻監視課長    仲井 博之

地殻変動研究室長  宗包 浩志

関連サイト

|日本列島の地殻変動へ|(新規ウィンドウ表示)

1702地球物理及び地球化学
ad
ad
Follow
ad
タイトルとURLをコピーしました