2018-03-31 国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
西南日本地域では、横架材に適した強度と優れた成長を合わせ持つ造林用樹種が少ない 状況にあります。これに対し、植栽から収穫までの期間が短く強度が高い新たな造林用樹種として、コウヨウザンに着目し、平成 27 年度から 29 年度にかけて農林水産業・食品産 業科学技術研究推進事業「西南日本に適した木材強度の高い新たな造林用樹種・系統の選 定及び改良指針の策定」により研究を実施しました(生方ほか 2015)。
この研究では、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所林木育種センター が主体となってコウヨウザンの成長特性の解明及び優良系統の選定と品種改良指針の策定を行うとともに、コウヨウザンの材質特性の解明については、材質特性のとりまとめと材質の系統間変異の解明を鹿児島大学農学部が、木材製品の試作及びその過程での性能評価 については中国木材株式会社が、その試作品を用いた性能評価については広島県立総合技術研究所がそれぞれ担当しました。
コウヨウザンについては既に試験的な造林に着手されていますが、コウヨウザンの特性等についてまとめて報告された事例がほとんど出されていないことから、今回、これまでの研究成果をもとにこの手引きを作成しました。なお、苗木の育成、造林、施業等については、まだ知見が少ないことから、今後、さらに調査・研究を進め、この手引き書を充実させていく予定です。
国立研究開発法人森林研究・整備機構
森林総合研究所林木育種センター
遺伝資源部長 生方正俊
https://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/chukiseika/documents/4th-chuukiseika15.pdf