使用済み自動車由来の廃プラスチックに対する 固体異物分離技術「ケミカルソーティング」を新たに開発～リソースサーキュレーションの実現に向けて～

Hondaは使用済み自動車（ELV）由来の廃プラスチックから高純度樹脂を抽出する新技術「ケミカルソーティング」を開発しました。従来の人手や機械による物理分離（フィジカルソーティング）では、異物サイズごとのフィルター調整や目詰まりが課題で分離率は約80％に留まっていました。本技術は、溶媒で樹脂を溶かし、ミリメートルサイズの異物を粗いフィルターで、マイクロメートルサイズの異物を遠心分離で除去する仕組みにより、分離率を99％以上に改善。メンテナンス頻度を抑えつつ連続処理を可能にし、産業スケールで安定稼働できるプロセスを実現しました。得られた高純度樹脂はメカニカル・ケミカルリサイクルを経て自動車用部品に再利用可能で、「水平リサイクル」が可能となります。これにより工程短縮・設備投資削減・歩留まり向上が期待され、さらに強化繊維樹脂もリサイクル可能となりCO₂削減にも寄与します。Hondaは2026年にパイロット設備導入、2029年頃の実用化を目指しており、将来的には他素材への応用やサステナブルマテリアル100％の製品開発に繋げる方針です。