2024-10-09 地震調査研究推進本部地震調査委員会
1.主な地震活動
○ 9月 24 日に鳥島近海(鳥島から北に約 100km の須美寿島(すみすじま)付近)の深さ約 10km(CMT 解による)でマグニチュード(M)5.8 の地震が発生した。この地震により、八丈島八重根(やえね)で 0.7m の津波を観測するなど、伊豆諸島及び千葉県から鹿児島県にかけての太平洋沿岸で津波を観測した。
2.各領域別の地震活動
(1)北海道地方
○ 9月 24 日に留萌(るもい)地方中北部の深さ約 15km で M3.7 の地震が発生した。この地震は地殻内で発生した地震である。
〇 9月 26 日に釧路沖の深さ約 60km で M5.7 の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ型で、太平洋プレート内部で発生した地震である。
(2)東北地方
目立った活動はなかった。
(3)関東・中部地方
○ 1月1日に石川県能登地方で発生した M7.6 の地震の震源域では、地震活動が低下してきているものの、2020 年 12 月から活発になった地震活動は依然として継続している。9月 1 日から9月 30 日までに震度1以上を観測した地震は 18 回(震度2:4回)発生している。9月中の最大規模の地震は、29 日 00 時 53 分に発生した M3.7 の地震(最大震度1)である。なお、8月中に震度1以上を観測した地震は 18 回であった。
GNSS観測によると、1月1日の M7.6 の地震の後、およそ9か月間に珠洲観測点で北西方向に約5cm の水平変動など、能登半島を中心に富山県や新潟県、長野県など広い範囲で1cm を超える水平変動、能登半島北部では輪島観測点で約9cm の沈降が観測されるなど、余効変動と考えられる地殻変動が観測されている。
石川県能登地方の地殻内では 2018 年頃から地震回数が増加傾向にあり、2020 年 12 月から地震活動が活発になり、2022 年6月には M5.4、2023 年5月には M6.5、 2024 年1月には M7.6、6月には M6.0 の地震が発生した。一連の地震活動において、2020 年 12 月1日から 2024 年9月 30 日までに震度1以上を観測する地震が 2442 回発生した。また、2020 年 12 月頃から地殻変動も観測されていた。
これまでの地震活動及び地殻変動の状況を踏まえると、2020 年 12 月以降の一連の地震活動は当分続くと考えられ、M7.6 の地震後の活動域及びその周辺では、今後強い揺れや津波を伴う地震発生の可能性がある。
○ 9月 24 日に鳥島近海(鳥島から北に約 100km の須美寿島付近)の深さ約 10km (CMT 解による)で M5.8 の地震が発生した。この地震は、フィリピン海プレート内部で発生した地震である。この地震により、東京都の八丈島八重根で 0.7m の津波を観測するなど、伊豆諸島及び千葉県から鹿児島県にかけての太平洋沿岸で津波を観測した。
この付近では、1984 年6月 13 日に M5.9、1996 年9月5日に M6.2、2006 年1月1日に M5.9、2015 年5月3日に M5.9 など、今回と同様に、M6.0 程度の規模にもかかわらず津波を観測している地震が発生している。
(4)近畿・中国・四国地方
〇 9月 20 日に豊後水道の深さ約 40km で M4.7 の地震が発生した。この地震の発震機構は東西方向に張力軸を持つ正断層型で、フィリピン海プレート内部で発生した地震である。
(5)九州・沖縄地方
○ 9月 14 日に種子島南東沖で M5.7 の地震が発生した。この地震の発震機構は東西方向に圧力軸を持つ型であった。
〇 9月 16 日に日向灘の深さ約 20km で M5.3 の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。この地震の震源付近では、2024 年8月8日に M7.1 の地震が発生しており、8月8日から9月 30 日までに震度1以上を観測した地震が 32 回(震度6弱:1回、震度3:4回、震度2:6回、震度1:21 回)発生するなど、地震活動は継続しているものの、時間の経過とともに地震回数は減少してきている。
GNSS観測によると、M7.1 の地震の後、およそ2か月間に宮崎観測点で南東方向に約3cm の変動など宮崎県南部を中心に、余効変動と考えられる地殻変動が観測されている。(
6)南海トラフ周辺
○ 南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない。
注:GNSSとは、GPSをはじめとする衛星測位システム全般を示す呼称である。


