高密度信号のテラヘルツ波送信を高温超伝導体で実現~次世代Beyond 5G/6G通信や革新的計測のための重要技術~

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2024-01-12 京都大学

高密度信号のテラヘルツ波送信を高温超伝導体で実現~次世代Beyond 5G/6G通信や革新的計測のための重要技術~
図:高温超伝導体から周波数変調テラヘルツ波が放射されるイメージ。左手前にある金色の電極から高密度ギガヘルツ信号(黄色波線)を導入すると、放射されるテラヘルツ波(赤色)の周波数が瞬時電圧の変化に伴って変調する。


電子工学専攻の掛谷一弘准教授、宮本将志修士課程院生ら、産業技術総合研究所量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センターの辻本学主任研究員らの研究グループは、ビスマス系高温超伝導体を用いた超伝導テラヘルツ光源からエフエム(周波数数変調)電磁波の空間への放射を実現しました。

空間を飛ぶ電波・光を用いて大量のデータをやりとりする高速無線通信の要望が、コロナ禍を経てますます高まっています。その世界的な需要に対応するために、さらに進化した無線ネットワーク、Beyond 5G/6G技術の開発が急ピッチで進んでいます。こうした無線通信に必要な電磁波の周波数帯であるテラヘルツ帯の光源のひとつとして、超伝導テラヘルツ光源が研究されています。本研究グループは、超伝導だけが持つ性質であるジョセフソン効果を利用することで、市販の信号発生器から発生する3ギガヘルツのマイクロ波信号をテラヘルツ波に乗せて送信する、テラヘルツ波エフエム技術の開発に成功しました。実験の結果、現行の光ファイバーインターネットサービスの100分の1以下の時間で4K動画などの大きなデータを、無線で送れる能力を持つことが示されました。

本成果は、2024年1月10日に英国の国際科学学術雑誌Nature Photonics誌にオンライン公開されました。

研究詳細

高密度信号のテラヘルツ波送信を高温超伝導体で実現―次世代Beyond 5G/6G通信や革新的計測のための重要技術―

研究者情報

掛谷 一弘

書誌情報

タイトル
Wide-band frequency modulation of a terahertz intrinsic Josephson junction emitter of a cuprate superconductor

著者
M. Miyamoto1, R. Kobayashi1, G. Kuwano2, M. Tsujimoto2,3, and I. Kakeya1
所属:
1Department of Electronic Science and Engineering, Kyoto University

2Graduate School of Science and Technology, University of Tsukuba

3Global Research and Development Center for Business by Quantum-AI Technology (G-QuAT), National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST)

掲載誌
Nature Photonics

DOI
10.1038/s41566-023-01348-0

0404情報通信
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