2021-12-15 アメリカ合衆国・ジョージア工科大学(GeorgiaTech)
・ Georgia Tech が、人間の皮膚のような伸縮性と柔軟性を持つ半導体材料による、高感度有機フォトダイオードを開発。
・ ウェハーのような固い基板の半導体からフレキシブルで柔らかなプラスチック材料のものへの移行が進み、発光ダイオード、太陽電池やトランジスタ等の様々なデバイスが製造されている。
・ 本研究では、屋内照明の電球光の約 1 億分の 1 レベルの極微弱光の検出に必要な電気性能の半導体に伸縮性を付与。光照射で電気を発生する柔軟な材料開発に最も適合した化合物の組合せを同定し、エラストマー、ドナーの合成ポリマーとアクセプター分子のバルクヘテロ接合によるフォトダイオードを作製した。
・ 新フォトダイオードは、 電流を著しく損失することなく元寸法の約 200%まで引き伸ばせ、2 番目の皮膚のような機能を提供する。あらゆる種類の物理特性をモニタリングするセンサーを併合した機能的な表面による、インテリジェントシステムの開発が期待できる。
・ 装着したセンサーによる収集データの有効性に影響を及ぼすモーション・アーチファクトの最小化や除去が可能となるため、医療用ウェアラブルの実用性を向上させる可能性がある。
・ 引き伸ばし、折り曲げられ、凹凸のある面にも使用でき、身体に沿って動くエレクトロニクスは、生体データの収集に有利な場所にセンサーを取り付けられるため、疾病の診断やモニタリングに有効となる。
・ また、柔軟な生物組織のダイナミックな挙動に対応できるインターフェイスにより、バイオエレクトロニックアプリケーションのインプラント電子デバイスとしての利用も考えられる。長期的には、人間の眼球の機能を強化、さらには代替するセンサーの開発や、ロボティックアイに利用できる可能性がある。
・ 他にも、貼り付けられる光センサーとして、農作物の生育状態、病気や収穫のタイミングをモニタリングするスマート農業や、核燃料サイクルのモニタリングのアプリケーションが考えられる。
URL: https://news.gatech.edu/news/2021/12/15/soft-semiconductors-stretch-human-skin-can-detect-ultra-low-light-levels
<NEDO海外技術情報より>
(関連情報)
Science Advances 掲載論文(フルテキスト)
Skin-like low-noise elastomeric organic photodiodes
URL: https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abj6565