2025-04-16 中国科学院(CAS)
中国は、地球-月空間において世界初となる遠地逆行軌道(DRO)に基づく三衛星コンステレーションを構築しました。この構成には、DRO-A、DRO-B、そして既存のDRO-L衛星が含まれ、相互に通信・測位リンクを確立しています。DROは、地球を順行し月を逆行する特異な軌道で、燃料消費が少なく安定性が高いため、地球、月、深宇宙を結ぶ自然な宇宙ハブとして注目されています。DRO-A/Bは2024年3月に打ち上げられましたが、ロケット上段の異常により予定軌道への投入に失敗。しかし、緊急軌道修正を経て、最終的に8.5百万kmの航行後に目標軌道に到達しました。この成果は、深宇宙での故障回復や自律航法技術の進展を示し、将来の有人深宇宙探査や宇宙インフラ構築への道を開くものです。現在、DRO-AはDROに留まり、DRO-Bは地球-月空間での機動運用を行っています。
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