2024 年2月 26 日からの千葉県東方沖の地震活動の評価

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2024-03-01 地震調査研究推進本部地震調査委員会

○ 2月 26 日 23 時頃から、千葉県東方沖を中心にまとまった地震活動が継続している。3月1日 13 時までに震度1以上を観測した地震は 16 回発生(最大震度4:2回、最大震度3:3回)し、最大の規模の地震は、3月1日5時 43 分に発生したマグニチュード(M)5.2(速報値)の地震である。これらの地震の発震機構は、概ね北北西-南南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、いずれの地震もフィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。

〇 GNSS・傾斜データによると、房総半島では2月 26 日頃からわずかな地殻変動を観測している。これまでにGNSSで検出された地殻変動は、大きいところで約1cm である。これらは、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界におけるゆっくりすべりに起因するものと考えられる。

○ この付近では、過去にも数年に一度程度の頻度でゆっくりすべりを伴う同様の地震活動が観測されている。これまでに、1996 年、2002 年、2007 年、2011 年、 2014 年、2018 年に見られており、1週間から数か月間程度地震活動が継続することがある。また、2007 年には最大震度5弱を観測している。

〇 過去の地震活動を踏まえると、今後も引き続き地震が発生し震度5弱程度の強い揺れが観測される可能性があるため、強い揺れに注意が必要である。 なお、これまでの活動における地震の規模は、最大でも M5程度であり、「相模トラフ沿いの地震活動の長期評価(第二版)(平成 26 年4月 25 日公表)」で評価されているようなプレートの沈み込みに伴う地震よりも規模は小さい。

〇 今回の地震が発生した南関東地域は、南側から沈み込むフィリピン海プレートの下に、東側の日本海溝から太平洋プレートが沈み込んでおり、これまでに M7程度の地震が多く発生していることが知られている。「相模トラフ沿いの地震活動の長期評価(第二版)」では、このようなプレートの沈み込みに伴う M7程度(M6.7 ~M7.3)の地震が 30 年以内に発生する確率はⅢランク、M8クラス(M7.9~M8.6)の地震が 30 年以内に発生する確率はⅡランク(*)と評価され、海溝型地震の中では発生する確率が高いグループ及びやや高いグループに分類されている。

*:海溝型地震における今後 30 年以内の地震発生確率が 26%以上を「Ⅲランク」、3%~26%未満を「Ⅱランク」、3%未満を「Ⅰランク」、不明(すぐに地震が起きることを否定できない)を「X ランク」と表記している。
注:GNSSとは、GPSをはじめとする衛星測位システム全般を示す呼称である。

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1702地球物理及び地球化学
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