2022-04-06 スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)
・EPFLのBlue Brain Projectは、数学のみを用いて神経細胞を自動的に3Dで描画する方法を発見しました。
・数十億個の神経細胞は、数兆個のシナプスを形成し、神経細胞同士が連絡を取り合っています。このような複雑な脳の状態を再現するためには、包括的なニューロンモデルや、詳細な脳ネットワークの正確な再構築が必要です。
・数学の一分野である代数的位相幾何学を用いて、わずか数例でユニークな細胞を大量に生成するアルゴリズムを開発しました。このアルゴリズム(TNS:Topological Neuronal Synthesis)を用いると、数百万個のユニークな神経細胞の形態を効率的に合成することができる。
・TNSアルゴリズムは、急速に発展している計算論的神経科学の分野にとって非常に重要であり、単一細胞レベルから大規模な神経細胞ネットワークまで、生物学的にリアルなモデルにますます依存するようになっている。特に、神経細胞の正確な形態は、細胞の種類の定義、機能的役割の識別、脳の疾患状態に関連する構造変化の研究、健康な脳の基本である複雑な皮質プロセスを支える脳ネットワークの十分な堅牢性の条件を特定するために不可欠であり、これらの取り組みの中核をなすものである。
<関連情報>
- https://actu.epfl.ch/news/blue-brain-builds-neurons-with-mathematics-2/
- https://www.cell.com/cell-reports/fulltext/S2211-1247(22)00330-8
大脳皮質樹状突起の形態の計算機合成
Computational synthesis of cortical dendritic morphologies
Lida Kanari,Hugo Dictus,Athanassia Chalimourda,Julian Shillcock,Kathryn Hess,Henry Markram,Show all authors,Show footnotes
Cell Reports Published:APRIL 05, 2022
DOI:https://doi.org/10.1016/j.celrep.2022.110586