複数拠点で接続した運航管理統合機能の実証試験に成功

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多くのドローンが安全に飛び交う社会の実現に寄与

2021-04-15 新エネルギー・産業技術総合開発機構

NEDOは、日本電気(株)、(株)NTTデータ、(株)日立製作所、(株)ウェザーニューズとともにロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクトに取り組んでおり、2021年3月15日から3月18日まで複数の拠点から接続し、運航管理統合機能の実証試験を実施しました。

具体的には、ドローンフィールドKAWACHIなどから福島ロボットテストフィールドの運航管理システムに設けた運航管理統合機能に接続し、事業者向けユーザーインターフェース機能の改善や空域管理機能の高度化といった、機能拡張した運航管理統合機能が正常に作動することを確認しました。

本事業を通じてドローンの運航の統合的な管理を可能にする運航管理統合機能の開発を進め、将来多くのドローンが全国で安心安全に飛び交う社会の実現に貢献します。

ドローンフィールドKAWACHIでの実証試験の写真

図1 ドローンフィールドKAWACHIでの実証試験

1.概要

ドローンは将来、物流や郵便、警備、災害調査、点検、測量、農業などのさまざまな分野での活用が期待されています。ただ高密度でドローンが飛び交う社会を実現するには、すべての機体の飛行計画と飛行状況を掌握し、衝突などの危険を確実に回避するなどドローンの運航を統合的に管理する必要があります。さらに、ドローンを安全に運航するためには、気象情報や地形、建物の3次元地図情報をドローン事業者に提供する必要があります。

このような背景のもと、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、同一空域で複数事業者のドローンが安全に飛行するための運航管理システムの開発を推進しています。これまで「福島ロボットテストフィールド※1」(福島県南相馬市・同浪江町)の総合管制室に運航管理統合機能を提供するサーバーを設置し、運航管理システムのアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)※2を公開しながら、福島ロボットテストフィールドにおいて一般のドローン事業者も参画した運航管理システムの相互接続試験※3を実施してきました。

その一環として、NEDOは運航管理システムの全国的な社会実装を見据え、複数地域での安定した運航管理システムの連携を実現するため、2020年度から「運航管理統合機能の機能拡張に関する研究開発」を進めています。このたび、NEDOは日本電気株式会社、株式会社NTTデータ、株式会社日立製作所、株式会社ウェザーニューズとともに、同一空域で複数事業者のドローンが安全に飛行するための運航管理システムの社会実装を見据え、複数拠点から接続した運航管理統合機能の実証試験を実施しました。

具体的には、ドローンフィールドKAWACHI(茨城県稲敷郡河内町)から福島ロボットテストフィールドの運航管理システムに設置した運航管理統合機能に接続活用し、東京に設置した運航管理機能表示端末から運航を監視し、事業者向けの改善したユーザーインターフェース機能や空域管理機能の高度化といった機能が正常に作動することを確認しました。

この実証試験を通して、NEDOは将来さまざまな分野で活躍することが想定される多数のドローン運航を統合的に管理し、全国で安心・安全にドローンが飛び交う社会の環境整備に貢献します。

2.実証試験内容
  • 実施期間:2021年3月15日から3月18日まで
  • 実施場所:ドローンフィールドKAWACHI(茨城県稲敷郡河内町)
  • 実施内容:福島ロボットテストフィールドにある運航管理システムの運航管理統合機能にドローンフィールドKAWACHIからクラウド上の運航管理機能を使用して接続し、メーカー拠点として東京に設置した運航管理機能表示端末により、正常に作動していることを監視する3拠点での接続実証試験を実施しました。
    さらに、これまでに構築した運航管理システムとの相互接続試験の環境※4に下記の機能や技術を拡張した運航管理統合機能の有用性を検証しました。
  1. 事業者向けのユーザーインターフェース機能改善
  2. 空域管理機能の高度化
  3. 接近状態の回避機能と事故発生時の運用機能
  4. 全国の気象情報の管理、活用技術

実証試験の構成図

図2 実証試験の構成

3.プロジェクト実施者の具体的な検証内容

今回の実証試験において、実施者ごとの具体的な検証内容は以下のとおりです。

【日本電気(株)】
改善したユーザーインターフェースの評価を複数のドローン事業者により行い、無人航空機運航者が直接運航管理統合機能に飛行計画および動態情報が登録できることを検証しました。
【(株)NTTデータ】
無人航空機運航者がドローンをどのような用途で飛行させるかなどの条件をあらかじめ特定の空域に設定しておくと、それに応じて空域への入域可否を判定する仕組みを開発し、その仕組みをAPIで提供できることを検証しました。また、無人航空機運航者が外部情報提供システムから得た有人航空機動態情報を利用することにより、空域内の飛行状況の認識が向上することを検証しました。
【(株)日立製作所】
ドローン接近時の回避機能と事故発生時の運用機能を開発しました。今回、ドローンの障害や、飛行計画を逸脱した際に、警報対象となる機体に対する飛行禁止エリア生成範囲や有効時間のパラメータ調整を可能とする機能を実装し、その有効性を検証しました。また、社会実装時における運用の信頼性向上を目指し、通信異常監視方式の有効性を検証しました。
【(株)ウェザーニューズ】
実況解析モデルデータを生成し、観測機データ(気象観測ドローン、ドップラーソーダ、風向風速計)と比較することで、定置観測機がないエリアの精度検証を実施しました。また、ウェザーニューズの保有する有人航空機の動態情報をAPI経由で運航管理統合機能に連携することにより、無人航空機の運航者側が周辺空域における有人航空機の識別が可能になることを実証しました。

各事業者の実証試験の詳細については(別紙)を参照ください。

またNEDO公式YouTube「NEDO Channel」で実証試験の様子について公開します。

NEDO Channel:ドローン運航管理統合機能の実証~福島RTFから全国へ~

4.今後の予定

NEDOは、日本電気(株)、(株)NTTデータ、(株)日立製作所、(株)ウェザーニューズとともに、2022年2月まで運航管理システムのAPIを活用した相互接続試験を実施し、運航管理統合機能の機能拡張検証を継続して実施します。また実環境で用いることができる運航管理システムの実証事業※5と連携し、ドローンの活用場面を想定した実環境で技術検証を行います。

【注釈】
※1 福島ロボットテストフィールド
物流、インフラ点検、大規模災害などに活用が期待される無人航空機、災害対応ロボット、水中探査ロボットといった陸・海・空のフィールドロボットを主な対象に、実際の使用環境を再現し、研究開発、実証試験、性能評価、操縦訓練を行うことができる研究開発拠点。
※2 アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)
プログラムやソフトウェアの機能を共有する仕組み。APIをインターネットに公開することで、国内外の事業者にサービスを提供することができる。
※3 一般のドローン事業者も参画した運航管理システムの相互接続試験
参考:NEDOニュースリリース 2019年10月30日「一般のドローン事業者も参画したドローン運航管理システムの相互接続試験に成功」
※4 相互接続試験の環境
参考:NEDOニュースリリース 2019年10月3日「同一空域・複数事業者のドローン運航管理システムとの相互接続試験の環境を構築」
※5 運航管理システムの実証事業
参考:NEDOニュースリリース 2020年11月30日「ドローンの社会実装に向け、複数の地域で実環境に合わせた実証試験に着手」
5.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)
NEDO ロボット・AI部 担当:森、西村

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)
NEDO 広報部 担当:坂本

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