2020-11-25 海上保安庁
1.火山活動の状況
11 月 24 日午後、第三管区海上保安本部羽田航空基地所属航空機により、西之島の火山活動の観測を実施しました。詳細は以下のとおりです。
【観測結果】
・火山灰や噴石を含む噴煙の放出は確認できなかった。
・中央火口丘内壁が高温の状態であった。
・中央火口丘内壁及び火口縁の複数箇所から白色噴気が認められた。
・西之島の西岸~南岸~東岸にかけて茶褐色の変色水が分布していた。
2.航行警報
引き続き西之島の半径 1.4 海里以内を噴火による影響が及ぶ警戒範囲として、付近航行船舶に注意を呼びかけるとともに、火山ガスに対しても注意を呼びかけています。
また、2月4日に変色水が確認された西之島の南方5海里付近についても、引き続き付近航行船舶に注意を呼びかけています。
3.東京工業大学理学院火山流体研究センター 野上健治教授(観測機同乗)のコメント
8月末に噴火活動が一旦休止していたが、火口底、火口内壁及び火口縁からの噴気が認められ、噴火活動が再び活発化している可能性がある。
島の南側には濃褐色の変色水が広範囲に分布しており、酸性度の高い(pH が低い)火山性熱水が大量かつ広範囲に湧出しているとみられる。
過去に同様な変色水が観測された時(※)と比較してもその規模は非常に大きく、マグマからの高温の火山ガスの放出が続いていると推測される。
(※2013 年の噴火開始直後及び 2014 年 8 月の溶岩が大量に流出する直前)
4.その他
当庁が実施した調査結果は、随時、海上保安庁海洋情報部HPの「海域火山データベース」にて公開しています。
Web アドレス:https://www1.kaiho.mlit.go.jp/GIJUTSUKOKUSAI/kaiikiDB/list-2.htm