2020年ノーベル物理学賞をブラックホール研究の3氏が受賞

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2020-10-07 国立天文台

イベント・ホライズン・テレスコープで撮影された、銀河M87中心の巨大ブラックホールシャドウ
Credit: EHT Collaboration

2020年ノーベル物理学賞の受賞者が、ブラックホール研究の進展に貢献した欧米の研究者3氏に決定しました。

ブラックホールの理論研究に貢献した英国・オックスフォード大学のRoger Penrose(ロジャー・ペンローズ)氏、天の川銀河中心の超巨大ブラックホールの観測研究に貢献したドイツのマックス・プランク地球外物理学研究所のReinhard Genzel(ラインハルト・ゲンツェル)氏、および米国・カリフォルニア大学のAndrea Ghez(アンドレア・ゲッズ)氏です。Ghez氏の主要な業績である、天の川銀河中心にある超巨大ブラックホールの重力の影響を示した論文(注)では、すばる望遠鏡が取得したデータも使用されています。3氏の受賞をお祝いいたします。

国立天文台の本間希樹(ほんま まれき)教授のコメント

今回ブラックホールに関して先駆的な研究成果を上げた3名の研究者がノーベル物理学賞を受賞しました。同じくブラックホールに関わる研究者として心からお祝い申し上げます。今回の受賞は、ブラックホール研究の科学的な重要性が改めて認められたものであり、我々の今後の研究に向けても大きな励みになります。特に、Genzel氏、Ghez氏らが行ってきた天の川銀河中心のブラックホールの存在確認は、我々EHTプロジェクトがブラックホールの撮影を目指すきっかけともなった重要なものです。そのような中で、昨年のEHTによるブラックホールの撮影成功が、今回の先人たちのノーベル物理学賞受賞の後押しをしたのであれば、それもたいへん喜ばしく思います。

(注)2019年に米国の科学雑誌『サイエンス』に掲載されたGhez氏らによる論文(Do et al. ” Relativistic redshift of the star S0-2 orbiting the Galactic Center supermassive black hole” )

1701物理及び化学
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