EV 性能を高めるスタンフォード大学新開発の電解質

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(New battery electrolyte developed at Stanford may boost the performance of electric vehicles)

2020/6/22 アメリカ合衆国・スタンフォード大学

・ スタンフォード大学が、リチウム金属電池の性能を向上させる、リチウムベースの新しい電解質を開発。
・ 現在の EV では主にリチウムイオン電池が利用されているが、エネルギー密度が理論限界に近づいている。リチウム金属電池は、リチウムイオン電池に比べて軽量な上、エネルギー密度がその 2 倍で EV の電源に有望な技術とされる。
・ これは、リチウムイオン電池のグラファイトアノードに比べて、リチウム金属電池のリチウム金属アノードがより多量のエネルギーを保持できるため。しかし、問題は、リチウム金属電池の稼働中にアノードと液体電解質の反応で、デンドライトと呼ばれるリチウムの微細構造がアノード表面に成長すること。電池の発火や故障の原因となる。
・ 今回、市販の液体電解質の安定性を向上させることでこの問題に対処。電解質にフッ素原子を添加して新しい合成化合物の FDMB を作製した。電子を引き寄せるフッ素原子を取り入れることで、電解質でのリチウム金属アノードの機能を改善。FDMB は容易に大量製造できて非常に安価。また、従来の電解質に比べて低可燃性。
・ 同 FDMB をリチウム金属電池で試験した結果、充放電 420 サイクル後、初期蓄電容量の 90%を維持。従来のリチウム金属電池では、約 30 サイクル後に稼働を停止する。また、充放電時のアノードとカソード間でのリチウムイオンの移動効率性を示すクーロン効率が、ハーフセルで 99.52%、フルセルで99.98%であることを確認。電池の商業化に必要な効率は最低で 99.9%となっている。
・ 家電製品での利用可能性の調査のため、市販のアノードフリーのリチウム金属パウチセルでFDMB電解質を試験した結果、100 サイクル後に容量が 80%に低減。500~1,000 サイクルのリチウムイオン電池には劣るが、アノードフリーセルとしては優れた性能を提示。軽量のアノードフリー電池は、ドローンを始め多くの家電での利用が見込める。
・ 米国エネルギー省(DOE)が資金を提供する大規模なリサーチコンソーシアムの「Battery500」(同大学も所属)は、リチウム金属電池の開発を促進している。アノードや電解質の改善により、2016 年設立時の目標約 180Wh/kg から 500Wh/kg へのエネルギー密度の向上を目指す。今回のアノードフリー電池では、約 325Wh/kg を達成。目標の 500Wh/kg を目指し、研究を継続する。
・ 本研究は、Battery500 のグラントおよび DOE の自動車技術局の Battery Materials Research Program が支援した。
URL: https://news.stanford.edu/2020/06/22/new-electrolyte-design-may-lead-better-batterieselectric-vehicles/

<NEDO海外技術情報より>

(関連情報)

Nature Energy 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)
Molecular design for electrolyte solvents enabling energy-dense and long-cycling lithium metal
batteries
URL: https://www.nature.com/articles/s41560-020-0634-5

Abstract

Electrolyte engineering is critical for developing Li metal batteries. While recent works improved Li metal cyclability, a methodology for rational electrolyte design remains lacking. Herein, we propose a design strategy for electrolytes that enable anode-free Li metal batteries with single-solvent single-salt formations at standard concentrations. Rational incorporation of –CF2– units yields fluorinated 1,4-dimethoxylbutane as the electrolyte solvent. Paired with 1 M lithium bis(fluorosulfonyl)imide, this electrolyte possesses unique Li–F binding and high anion/solvent ratio in the solvation sheath, leading to excellent compatibility with both Li metal anodes (Coulombic efficiency ~ 99.52% and fast activation within five cycles) and high-voltage cathodes (~6 V stability). Fifty-μm-thick Li|NMC batteries retain 90% capacity after 420 cycles with an average Coulombic efficiency of 99.98%. Industrial anode-free pouch cells achieve ~325 Wh kg−1 single-cell energy density and 80% capacity retention after 100 cycles. Our design concept for electrolytes provides a promising path to high-energy, long-cycling Li metal batteries.

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