オンチップの光周波数コムによるマイクロ波のフォトニック生成

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 (Photonic microwave generation using on-chip optical frequency combs)

2020/4/20 スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)(ローザンヌ工科大学)
Photograph of the silicon nitride photonic chips used for frequency comb and photonic microwave generation. Credit: Junqiu Liu and Jijun He (EPFL).
・ EPFL がソリトン・マイクロコムを開発し、レーザーベースの低ノイズマイクロ波の発振を実証。光搬送波でもあるマイクロ波は、レーダー計測、衛星通信や 5G ワイヤレスネットワークで利用できる。
・ 今日の情報社会では、無線波やマイクロ波の信号の合成、送信や処理がワイヤレスネットワークやテレコミュニケーション等でユビキタスに行われている。特に 5G や IoT の需要による周波数帯の制限から、搬送波としての高周波数帯の利用が主流となる中、マイクロ波と光エレクトロニクスを統合したマイクロ波フォトニクスによる課題解決が期待される。
・ マイクロ波フォトニクスを構成する主な要素は、超短光パルスを提供する光周波数コム。これらのパルスの光検出でマイクロ波の搬送波が生成される。
・ 近年、連続発振レーザー駆動のノンリニアなマイクロ共振器によるチップスケールの周波数コムが飛躍的に進展している。これらの周波数コムは、マイクロ光共振器中を巡る可干渉性の超短光パルスである散逸的なカー・ソリトンによるものであるため、「ソリトン・マイクロコム」と呼ばれる。
・ ソリトン・マイクロコムは、CMOS ナノファブリケーション技術によりチップ上に直接製造できる。電子回路と集積レーザーの統合でコムの微細化の可能性が拓き、計量学、分光法や通信における様々なアプリケーションの展開が期待できる。
・ 今回、窒化シリコンベースのフォトニック導波管での光損失を大幅に低減し、マイクロ波 K バンド(~20GHz:5G で使用)および X バンド(~10GHz:レーダーで使用)の繰り返し率を有する可干渉性のソリトン・パルスの生成に成功。これより得られるマイクロ波信号は、商用のマイクロ波シンセサイザーが作る信号と同等またはより低い位相雑音特性を備える。
・ 達成した光損失は、直径僅か 1μm の導波管で光が約 1m 伝播するほどのもの。この損失レベルは光ファイバーのそれを 3 桁超上回るが、現在のノンリニア光集積の極めて狭小な導波管では最も低いもの。
・ このような低光損失は、EPFL が新開発した「窒化シリコン・フォトニック・ダマシン製造プロセス」によるもの。深紫外線ステッパーリソグラフィを利用した同プロセスは、従来のナノ製造技術では得られない低損失の実現を可能にする。
・ 今回の実証は、光集積、ノンリニア・オプティクス、マイクロ波フォトニクスの各分野を橋渡しするもの。ソリトン・マイクロコムとそれらによるマイクロ波信号は、次世代のレーダーや情報ネットワーク用の完全集積型低雑音マイクロ波共振器の作製における重要な要素となると考える。
・ 米国との協力で、チップスケールの半導体レーザーを組み入れた集積型ソリトン・マイクロコムのハイブリッドモジュールを開発中。これらの超小型マイクロコムは、データセンターのトランシーバ、LiDARシステム、小型光原子時計、光コヒーレンス・トモグラフィ、マイクロ波フォトニクスや分光法等の多様なアプリケーションに影響を及ぼすもの。
URL: https://actu.epfl.ch/news/photonic-microwave-generation-using-on-chip-optica/

<NEDO海外技術情報より>

(関連情報)

Nature Photonics 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)
Photonic microwave generation in the X- and K-band using integrated soliton microcombs
URL: https://www.nature.com/articles/s41566-020-0617-x

Abstract

Microwave photonic technologies, which upshift the carrier into the optical domain, have facilitated the generation and processing of ultra-wideband electronic signals at vastly reduced fractional bandwidths. For microwave photonic applications such as radars, optical communications and low-noise microwave generation, optical frequency combs are useful building blocks. By virtue of soliton microcombs, frequency combs can now be built using CMOS-compatible photonic integrated circuits. Yet, currently developed integrated soliton microcombs all operate with repetition rates significantly beyond those that conventional electronics can detect, preventing their use in microwave photonics. Access to this regime is challenging due to the required ultra-low waveguide loss and large dimensions of the nanophotonic resonators. Here, we demonstrate soliton microcombs operating in two widely employed microwave bands, the X-band (~10 GHz, for radar) and the K-band (~20 GHz, for 5G). Driven by a low-noise fibre laser, these devices produce more than 300 frequency lines within the 3 dB bandwidth, and generate microwave signals featuring phase noise levels comparable to modern electronic microwave oscillators. Our results establish integrated microcombs as viable low-noise microwave generators. Furthermore, the low soliton repetition rates are critical for future dense wavelength-division multiplexing channel generation schemes and could significantly reduce the system complexity of soliton-based integrated frequency synthesizers and atomic clocks.

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