ナノチューブを利用した人工光合成システムを開発

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自然に着想を得たグリーンエネルギー技術開発における主要な障壁を解決

(Nature-Inspired Green Energy Technology Clears Major Development Hurdle)

2020/3/19 ローレンスバークレー国立研究所 (LBNL)

A microscopy image of the nanotubes, generated in a sheet and (bottom image) a schematic of the layers that each tiny tube is composed of.

LBNL が、ナノチューブを利用した人工光合成システムを開発。
・ 太陽光を使用した化学反応で植物や藻類が CO2 を炭水化物に転換する光合成の仕組みを活用した、人工光合成による燃料の生成は世界中で研究されている。
・ 同システムでは、ナノチューブ内部での水分子の分解によるプロトンを外部へと急速に送り出し、 CO2 と電子に結合して燃料を生成する。現在では CO を生成しているが、メタノールの生成に向けた研究を進めている。太陽光のエネルギーの効率的な捕獲による燃料生成に不可欠なプロトンの高速移動は、人工光合成システムにおける障壁となっていた。
・ 同システムを構成する個々のユニットは、僅かにフレキシブルなケイ酸塩の薄膜で上下を挟まれた無数のナノチューブを含む小型で正方形の「太陽燃料タイル」。ナノチューブの開口部は薄膜を貫通している。
・ 人工光合成システムの開発では、燃料を大量に生成するためのスケーラビリティーに加え、数兆ドルにも相当する既存のインフラや技術で実用可能な液体炭化水素の生成が主要な課題となっている。これらを克服したモデルが完成すれば、数多くの太陽燃料タイルから構成される太陽燃料ファームの構築が迅速に進むと考える。
・ 各タイル内部の微細(幅約 0.5nm)で空洞のナノチューブは、酸化コバルトの内部層、シリカの中間層および酸化チタンの外部層の 3 層から構成。内部層では、太陽光のエネルギーにより酸化チタンが水を分解(各チューブ内を流れる湿った空気に)し、自由プロトンと酸素を生成する。
・ このようなプロトンは外部層へとスムーズに移動し、そこで CO2 と結合して、酸化チタン層が担持する触媒のプロセスを経て CO(将来的にはメタノール)となる。各ナノチューブ間のスペースに集まった燃料は、簡単に収集できる。
・ 中間層のナノチューブ壁は、内部層での水の酸化で得られた酸素を保持し、CO2 と外部層でできた燃料分子の内部層への進入を阻止。これにより、非両立的な 2 種類の化学反応の領域を隔離する。
・ 同人工光合成システムは、酸化と還元の両反応を葉緑体内部の有機膜の仕切りで分離する実際の光合成細胞を模倣したもの。自然の働きと同様に、同人工光合成システムのメンブレンナノチューブが、イオンの移動によるエネルギー損失を最低限に抑え、システムの効率性を低下させる意図しない化学反応の発生を回避して、極めて短距離での光合成反応を促進する。
・ 本研究には、Energy & Biosciences Institute (BEI)が EBI-Shell プログラムを通じて資金を提供した。
URL: https://newscenter.lbl.gov/2020/03/19/green-energy-clears-hurdle/

(関連情報)
Advanced Functional Materials 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)
Ultrathin Amorphous Silica Membrane Enhances Proton Transfer across Solid‐to‐Solid Interfaces of Stacked Metal Oxide Nanolayers while Blocking Oxygen
URL: https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adfm.201909262

<NEDO海外技術情報より>

Abstract

A large jump of proton transfer rates across solid‐to‐solid interfaces by inserting an ultrathin amorphous silica layer into stacked metal oxide nanolayers is discovered using electrochemical impedance spectroscopy and Fourier‐transform infrared reflection absorption spectroscopy (FT‐IRRAS). The triple stacked nanolayers of Co3O4, SiO2, and TiO2 prepared by atomic layer deposition (ALD) enable a proton flux of 2400 ± 60 s−1 nm−2 (pH 4, room temperature), while a single TiO2 (5 nm) layer exhibits a threefold lower flux of 830 s−1 nm−2. Based on FT‐IRRAS measurements, this remarkable enhancement is proposed to originate from the sandwiched silica layer forming interfacial SiOTi and SiOCo linkages to TiO2 and Co3O4 nanolayers, respectively, with the O bridges providing fast H+ hopping pathways across the solid‐to‐solid interfaces. Together with the complete O2 impermeability of a 2 nm ALD‐grown SiO2 layer, the high flux for proton transport across multi‐stack metal oxide layers opens up the integration of incompatible catalytic environments to form functional nanoscale assemblies such as artificial photosystems for CO2 reduction by H2O.

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