世界初、国際宇宙ステーションの宇宙アバター 「space avatar」操作体験の実証始動

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宇宙アバター事業創出に向けて、2020年、宇宙ステーション補給機「こうのとり」で打上げ、「きぼう」にアバター設置予定

2020-05-18 ANAホールディングス株式会社,avatarin株式会社,宇宙航空研究開発機構

ANAホールディングス株式会社(代表取締役社長:片野坂 真哉、以下「ANAHD」)、ANAグループのavatarin株式会社(代表取締役CEO:深堀 昂、以下「avatarin(株)」)、及び国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(理事長:山川 宏、以下「JAXA」)は、国際宇宙ステーション(以下「ISS」)日本実験棟「きぼう」を活用し、『宇宙アバター※1事業』の創出に向けた実証プロジェクトを始動いたします。
本実証プロジェクトは、ANAHDとJAXAにより、2018年9月に開始した、共創型研究開発プログラム・宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC※2)“AVATAR X Program※3”(アバターエックスプログラム:以下「AVATAR X」)における事業コンセプト共創の一環として、宇宙でのアバター利用を実証するものです。

「space avatar」体験イメージ

「space avatar」体験イメージ © avatarin/ Clouds Architecture Office

avatarin(株)は、地上400km上空を秒速8kmで周回する「きぼう」に宇宙アバター「space avatar(スペースアバター)」を設置し、その操作体験を一般の方に提供します。世界初の試みとして、一般の方が街中から、「きぼう」に設置される「space avatar」をリアルタイムで直接動かし、「きぼう」船内から宇宙や地球を眺めることが可能になります。
「space avatar」は、JAXAの「きぼう」の有償利用制度※4を利用し、宇宙ステーション補給機「こうのとり」9号機に搭載され、2020年5月に「きぼう」へ到着する予定です。「space avatar」には、avatarin(株)が独自に開発した、JAXA施設外から「きぼう」と通信する技術や映像伝送技術※5を利用しています。
「space avatar」を「きぼう」の窓に設置し、地上の特設会場からアバターを自由に操作し、宇宙や地球の景色等を地上に配信することで、あたかも自身が宇宙にいるような世界初のアバター体験を得ることができます。2020年を目標として一般向けのイベントを実施し、都内の特設会場において体験いただく予定です。イベント詳細につきましては決定し次第、以下ホームページでお知らせいたします。

<https://avatarin.com/>

JAXAは、「きぼう」の新たな利用を促進し地球近傍の宇宙空間(地球低軌道)を民間主体の経済活動の場へ発展させていくことを目指し、本プロジェクト実施にかかる安全評価、軌道上機器の打上げ、設置及び運用作業を行います。また、アバター技術を宇宙分野で活用することで、宇宙開発利用のさらなる発展、そして成果を地上の生活に還元するため、新しい宇宙事業の創出を目指し、J-SPARCプログラムにおいて、ANAHD/avatarin(株)と連携し、事業コンセプトの共創活動を行っています。

ANAHD/avatarin(株)とJAXAが共創することで、アバター技術が、地上及び宇宙の両方で広く活用され、安心・安全で、豊かな生活の実現に貢献していきます。
なお、avatarin(株)は、今後の宇宙アバターを活用した事業化に向けた取組みとして、以下の通り検討しています。

  • フェーズ0として、「きぼう」を利用した、宇宙アバター技術の実証、一般向けの体験価値の実証
  • フェーズ1として、宇宙ステーション船内における、小型分散型のアバター技術の実証、実装
  • フェーズ2として、宇宙ステーション船外における、小型分散型のアバター技術の実証、実装
  • フェーズ3として、月面及び月周回有人拠点における、小型分散型のアバター技術の実証、実装

図 小型分散型「space avatar」イメージ

図 小型分散型「space avatar」イメージ © avatarin/ Clouds Architecture Office

有識者コメント 中須賀真一avatarin(株)アドバイザー(東京大学大学院教授)

いよいよ宇宙でのアバター利用が始まることにわくわくしています。やがては人類が生活するようになる宇宙、しかし、そこに至るにはまだまだ時間がかかります。現段階では人が宇宙に行くことの費用や危険性は大きく、多くの人がその魅力を享受する時代になるにはまだ何年もかかると思われます。アバターはそんな世界と人間をつなぐツールであり、その宇宙での生活をいち早く革新的な技術によって宇宙での活動を疑似体験できるものです。宇宙ステーションの中からの高精細な映像を見るだけでなく、あたかもそこにいるかのようなリアリティ感。それを体験したときに、あなたは、どんな気持ちになるのか、どんな思いが去来するのでしょうか。宇宙に進出することで人類は進化の次にステップに入ると指摘する哲学者、技術者がたくさんいます。宇宙でのアバター体験が、人類の思考にどのような変化をもたらすか、そのような視点からもこの世界初の試みを楽しみにしたいと思います。

※1 アバター(avatarin(株)が描く瞬間移動手段)、及び宇宙アバターとは

avatarin(株)が考えるアバターとは、社会課題解決のために考えた遠隔操作ロボットです。ロボティクス、AI、VR、通信、触覚技術などの先端技術を集結し、遠隔地に置かれたロボットに遠隔操作ロボットを用いて、意識・技能・存在感を伝送させ、人々が繋がりコミュニケーションおよび作業を行うことができる次世代モビリティおよび人間拡張テクノロジーです。なお、内閣府におけるムーンショットプログラムにおいて、その大目標として関連するイノベーションが設定されています。宇宙アバターとは、その技術を宇宙空間にて活用し、宇宙開発利用を促進するものです。
https://avatarin.com/
https://www8.cao.go.jp/cstp/moonshot/index.html

※2 J-SPARC

「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」とは、宇宙ビジネスを目指す民間事業者等とJAXAとの対話から始まり、事業化に向けた双方のコミットメントを得て、共同で事業コンセプト検討や出口志向の技術開発・実証等を行い、新しい事業を創出するプログラムです。2018年5月から始動し、現在、約20プロジェクトを進めています。 http://aerospacebiz.jaxa.jp/solution/j-sparc/

※3 AVATAR X program

「AVATAR X」とは、今後の宇宙関連市場の大幅な拡大を見据え、宇宙関連事業への参入を目指す企業・団体、自治体約30社と、ANA・JAXAが連携し、「アバター(avatarin(株)が描く瞬間移動手段)」を活用した、宇宙関連事業の立ち上げを目指すプログラムです。「ANA AVATAR VISION」と、新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指す「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」における「人類の活動領域を拡げるテーマ群」の一環として、事業コンセプトの共創を行っています。
https://www.anahd.co.jp/group/pr/201809/20180906.html
・「ANA AVATAR VISION」とは
2018年3月13日プレスリリース https://www.ana.co.jp/group/pr/201803/20180313.html
ANAHDは、地上と宇宙の事業創出を目指しアバター事業を加速させるため、本年4月1日にavatarin(株)を立上げました。 https://www.anahd.co.jp/group/pr/202004/20200401-2.html

※4「きぼう」日本実験棟の有償利用制度

国内の民間企業等を主な対象として、利用者が独自の目的で「きぼう」を有償で利用し、利用成果を独占的に取得・使用することが可能なJAXAの制度です。
https://iss.jaxa.jp/kiboexp/field/business/

※5 JAXA施設外から「きぼう」と通信する技術や映像伝送技術

極限環境でのデータ通信の環境構築・技術開発を行うことで、今後災害時や通信インフラ未整備のエリアにおいてもアバターの利用を可能にすることを目的としています。具体的には「きぼう」から4K動画を高圧縮・リアルタイムで地上に配信するエンコーダ技術と、リアルタイムでJAXA施設外から「きぼう」内装置を遠隔操作できるコマンド送信システムの二つの技術を統合して世界初の「きぼう」でアバター体験ができるシステムを構築しました。

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