ナノスケール製造を 1000 倍加速する 3D プリンティング技術

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2019/10/3 アメリカ合衆国ジョージア工科大学 (Georgia Tech)

 (3D Printing Technique Accelerates Nanoscale Fabrication a Thousandfold)

Micropillar forest

・ 米ローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)と香港大学(研究者は現在 Georgia Tech 所属)が、超高速レーザーからの光制御に新しいタイムベース方法を用いた、ナノスケール 3D プリンティング技術を開発。従来の 2 光子リソグラフィー(TPL)技法よりも 1000 倍高速で、高スループットながらも深さ分解能 175nm、既存技術では不可能な 90°オーバーハング構造を作製できる。
・ FP-TPL(FP(フェムト秒プロジェクション TPL)と呼ばれる新並列技術で、バイオスカフォールド、フレキシブルエレクトロニクス、電気化学インターフェース、マイクロオプティックス、メカニカル・オプティカル・メタマテリアルや、機能的なミクロ・ナノ構造体の作製が可能に。
・ 既存のナノスケール積層造形技術は、直径約 700nm から 800nm のシングルスポット高強度光を使用して、感光性樹脂材料を液体から固体に変換。シングルスポットのポイントで構造体の全体をスキャンする必要があるため、既存の TPL 技法では複雑な 3D 構造体の作製に時間がかかり、実用的なアプリケーションへのスケールアップを制限している。
・ 今回、シングルポイントの代わりに、100 万ポイントを同時照射。自由な構造にパターニング可能な投影光の集束面全体を使用するので、製造プロセスが飛躍的にスケールアップした。
・ 画像や動画の作製にプロジェクターで使用されるようなデジタルマスクで、100 万ポイントを作製。同マスクがフェムト秒レーザーを制御して、前駆体の液体ポリマー材料にて自由な光パターンを作る。高強度光が重合反応を促して液体を固体に変換し、3D 構造体ができる。
・ 構造体の各層を 35 フェムト秒の高強度の閃光で形成。その後、プロジェクターとマスクで構造体を層毎に仕上げ、液体ポリマーを除去する。従来プロセスでは数時間かかる構造体を、FP-TPL 技法ではわずか 8 分で作製。
・ 表面に粒子を吹き付ける商用の 3D プリンティング とは異なり、新技術では液体前駆体の奥深くまで入り込むため、表面製造のみでは不可能な構造体(90°オーバーハングやアスペクト比 1,000:1 超の構造体)も作製できる。他にも、マイクロピラー構造体、立方体、ログパイル、ワイヤー、スパイラルなど、様々な構造体の作製を実証した。
・ 本技術の実際のアプリケーションは、例えばスマートフォンの部品などの、大型製品に統合する小型デバイスの産業規模の生産。次の目標は、材料選択肢の拡張に向け、他の材料によるプリントの実証。・ 本研究の成功は、高分解能の微小な構造体を作る極薄の光シートの作製を可能にした、異なる集光方法の採用とその時間領域的特性の活用によるもの。
・ フェムト秒レーザーの利用で、極細いポイントサイズを保持しながら、2 光子プロセスに必要な光の強度を維持できる。新 FP-TPL 技法では、フェムト秒パルスがオプティカルシステムを通過する際に伸ばし・圧縮されて一時的に集束する。回折限界、集光スポットを下回るサイズの 3D 構造体を作製できる同プロセスでは、光子 2 個が液体前駆体分子に同時に当たる必要がある。
・ 今後は、新材料の採用や同プロセスのさらなるスケールアップを目指す。形状予測の正確性や大面積での品質管理の課題解決のため、プロセス自体の理解を深める研究を進める予定。
URL: https://news.gatech.edu/2019/10/03/3d-printing-technique-accelerates-nanoscalefabrication-thousandfold

(関連情報)
Science 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)
Scalable submicrometer additive manufacturing
URL: https://science.sciencemag.org/content/366/6461/105

<NEDO海外技術情報より>

Speeding up submicrometer printing

Using light to build three-dimensional structures with photopolymerization is the basis for two-photon lithography. However, there has been a trade-off between speed and resolution for fabricating structures with this method. Saha et al. optimize a new parallel printing methodology that relies on ultrafast lasers. They show the ability to dramatically increase the speed of printing while maintaining submicrometer resolution.

Science, this issue p. 105

Abstract

High-throughput fabrication techniques for generating arbitrarily complex three-dimensional structures with nanoscale features are desirable across a broad range of applications. Two-photon lithography (TPL)–based submicrometer additive manufacturing is a promising candidate to fill this gap. However, the serial point-by-point writing scheme of TPL is too slow for many applications. Attempts at parallelization either do not have submicrometer resolution or cannot pattern complex structures. We overcome these difficulties by spatially and temporally focusing an ultrafast laser to implement a projection-based layer-by-layer parallelization. This increases the throughput up to three orders of magnitude and expands the geometric design space. We demonstrate this by printing, within single-digit millisecond time scales, nanowires with widths smaller than 175 nanometers over an area one million times larger than the cross-sectional area.