平成31年3月の地殻変動

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2019-04-08  国土地理院

全国の地殻変動概況

 別紙1~7は、国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた2019年2月下旬から2019年3月下旬までの1か月間の地殻変動を表したものです。九州北部・四国西部では、平成30年(2018年)春頃から始まったプレート間のゆっくりすべり(スロースリップ現象)に伴う地殻変動が見られます。また、東日本の広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。

 火山周辺では、硫黄島において継続的な地殻変動が見られます。

トピックス
  • 九州北部・四国西部では、それまでの傾向とは異なる地殻変動が検出されています。この変動は、豊後水道周辺のフィリピン海プレートと陸のプレートの境界深部における長期的ゆっくりすべり(スロースリップ現象)によるものと推定されます。(別紙8)
  • 吾妻山周辺では、2018年5月頃から山体の膨張を示す地殻変動が見られています。(別紙9)
  • 草津白根山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙10)
  • 硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」では隆起、「硫黄島2」は南向きの変動が継続しています。2019年3月頃にこれらの傾向がやや加速しました。(別紙11)
  • 阿蘇山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙12)
  • 霧島山周辺では、霧島山を挟む基線での伸びは、2019年2月以降停滞しています。(別紙13)
  • 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む基線で「鹿児島福山」-「隼人」等でわずかな伸びが見られます。桜島島内の基線では、停滞又はわずかな縮みが見られます。(別紙14)
  • 口永良部島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙15)
補足説明
  • 全国の1年間の地殻変動(2018年3月下旬から2019年3月下旬まで、別紙16)からは、以下のような傾向が見られます。
    • 東北から関東・中部までの広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
    • 平成30年北海道胆振東部地震に伴う地殻変動が見られます。
    • 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
    • その他の地方では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。
別紙一覧
問い合わせ先
国土交通省国土地理院
地理地殻活動研究センター  地殻変動研究室長  矢来 博司    
測地観測センター      地殻監視課長    真野 宏邦    
測地観測センター      地震調査官     黒石 裕樹    
1702地球物理及び地球化学
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