2018/12/18 環境省
ラムサール条約第13回締約国会議(COP13)が、アラブ首長国連邦のドバイで10月21日(日)~29日(月)に開催され、このたびラムサール条約事務局が決議を公表しましたので、その主な内容をお知らせします。
同会議では、財政事項、条約実施の構造及びプロセスに関する事項のほか、潮間帯湿地の保全、気候変動に関する決議等について議論されました。
1 第13回締約国会議(COP13)の結果概要
ラムサール条約(正式名称:特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約。発効:1975年)の第13回締約国会議が、以下のとおり開催されました。
- 期日2018年10月21日(日)~29日(月)
- 場所アラブ首長国連邦(ドバイ)フェスティバル・アリーナ
- 参加者締約国のうち143カ国の代表が参加しました。また、国際機関、NGO等もオブザーバーとして多数参加し、我が国からは、政府代表団(外務省及び環境省)のほか、関係自治体、NGO等のオブザーバーが参加しました。
- テーマ”Wetlands for a Sustainable Urban Future” (持続可能な都市の未来のための湿地)
- 会議の概要ア. 開会式では、アラブ首長国連邦政府及びマルタ・ロハス・ウレーゴ条約事務局長等が挨拶をしました。条約事務局長からは、1970年以降、世界の湿地の35%が失われ、内陸湿地をすみかとする生物個体群の81%、また、沿岸や海を生息地とする生物個体群の36%が減少していることに触れ、地域スケールでのビジョンと行動の必要性、また、当COPはその潮流を変える機会であることが強調されました。イ. 全体会合では、アラブ首長国連邦が議長を、フィンランドとウガンダが副議長を務めました。条約事務局より条約の履行状況の概要報告があったほか、常設委員会、財政小委員会及び科学技術検討委員会より前回締約国会議以降の活動についての報告がありました。ウ. 全体会合やコンタクト・グループ等での審議の上、25本の決議が採択されました。採択された主な決議は次のとおりです。決議XIII. 1:世界湿地の日に関する決議決議XIII. 2:財政及び予算関連事項に関する決議
決議XIII. 3:条約実施の構造に関する決議
決議XIII. 4:常設委員会の役割、責任及び構成、並びに地域区分に関する決議
決議XIII.10:国際的に重要な湿地の登録簿の現況に関する決議
決議XIII.14:沿岸のブルーカーボン生態系の保全、再生及び持続可能な管理に関する決議
決議XIII.16:持続可能な都市化、気候変動と湿地に関する決議
決議XIII.19:湿地における持続可能な農業に関する決議
決議XIII.20:潮間帯及び生態学的に関連する生息環境の保全とワイズユースの促進に関する決議
決議XIII.24:ラムサール条約におけるウミガメの保護及び産卵地等の管理体制に関する決議
※決議の概要は別紙参照
- その他次回締約国会議(COP14)の開催国はCOP13では決定されず、開催国の募集が、次の常設委員会(第57回、2019年6月24日~28日開催予定)の一ヶ月前まで延長されることが決まりました。
2.その他
環境省は、サイドイベントとして、平成30年10月18日に国際的に重要な湿地に登録等された国内の3箇所の湿地の認定証授与式、水田の生物多様性保全の取組の発表等を行いました。また、会場内の展示ブースにおいて、日本のラムサール条約登録湿地の紹介を行いました。
- 連絡先
- 環境省自然環境局野生生物課
添付資料
(別紙)ラムサール条約第13回締約国会議(COP13)の主な決議の概要