房総半島沖でプレート境界面のゆっくりすべり(スロースリップ)が継続
2018/06/16 国土地理院
概要
房総半島の電子基準点観測データに、2018年6月5日頃から、通常とは異なる地殻変動(非定常地殻変動)が検出されています。これまでに検出された非定常地殻変動は大きいところで約2cmです。
この変動は、房総半島沖のフィリピン海プレートと陸側のプレートの境界面で発生している「ゆっくりすべり(スロースリップ)現象」によるものと推定されます。6月14日までのデータを用いた非定常地殻変動からプレート境界面上のすべりを計算したところ、房総半島沖で最大約9cmのすべりが推定されました。6月8日以降はすべりの中心が6月8日以前と比べて南側に移動し、すべり量も大きくなっています。
房総半島沖では、1996年5月、2002年10月、2007年8月、2011年10月、2014年1月の5回、同じような場所でゆっくりすべりが発生したことが、電子基準点の観測データで確認されています。発生間隔は、それぞれ77か月、58か月、50か月、27か月で、今回は53か月でした。過去5回のゆっくりすべりでは、房総半島を中心とした領域で非定常地殻変動が約10日間観測されました。
なお、この非定常地殻変動は現在も継続しているとみられます。このため、今回得られた解析結果はあくまでも暫定的なものであり、今後のデータの蓄積、精査により、情報が更新される可能性があります。
国土地理院では、引き続き、この非定常地殻変動を注意深く監視していくこととしています。
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