2017-12-27 日本原子力研究開発機構
件名:「プルトニウム貯蔵は不適当 原子力委、研究炉で指摘」
平成29年12月26日(火)共同通信社配信
平成29年12月26日(火)共同通信社配信
件名:「「MOX燃料貯蔵は不適当」原子力機構研究炉 原子力委が指摘」
平成29年12月27日(水)茨城新聞 18 面
記事概要
- 原子力委員会は26日、日本原子力研究開発機構の研究炉、定常臨界実験装置(STACY、茨城県)の運転再開審査を巡り、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を貯蔵したまま、利用目的を示していないのは不適当だと指摘し、申請の補正書を原子力規制委員会に提出するよう求
めた。 - 規制委は11月、STACYが新規制基準に適合していると事実上合格の判断をし、原子力委に意見を求めていた。原子力委が規制委の判断をそのまま追認しなかったのは初めて。規制委は補正書の提出を受けて、正式合格の可否を判断する。
- 機構は高速増殖炉の開発に備えてSTACYで使うMOX燃料を貯蔵していたが、未使用だった。
- 規制委への申請後、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)の廃炉が決まり、当面MOX燃料を利用する予定がなくなった。
- 機構は運転再開ではウラン燃料を使い、東京電力福島第1原発事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)取り出しの研究に使う計画。
事実関係 :一部事実誤認、
- STACYで貯蔵しているMOX燃料は、STACYにおいて硝酸プルトニウム溶液を用いた臨界実験(臨界及び未臨界データの取得を行うことを目的)を行うため、その硝酸プルトニウム溶液の原料として使用するためのものでした。この臨界実験は、再処理施設の臨界安全性の研究を目的と
したものであり、高速増殖炉の開発に備えて貯蔵していたという内容は誤認です。 - STACYにおいて当面MOX燃料を利用する予定がなくなったのは、STACYにおける硝酸プルトニウム溶液を用いた臨界及び未臨界データの取得のための臨界実験を取り止めたことによるものです。
STACYで貯蔵しているMOX燃料は、運転再開後のSTACYで利用する予定はなくなりますが、原子力機構が行う核燃料サイクルを技術的に確立するための高速炉サイクルの研究開発等に利用する計画であり、今後、その計画については、政策の状況を踏まえて必要な改定を行ったうえで利用していく予定です。
基本的な考え方
- 原子力機構としては、原子力委員会の指摘を踏まえ、STACYで貯蔵しているMOX燃料の利用について原子炉設置変更許可申請書の補正を速やかに提出します。
原文は、https://tiisys.com/wp/wp-content/uploads/2017/12/171227nucl-kijikaisetu01.pdf