平成30年12月10日(月曜日)から12月14日(金曜日)まで、ホノルル(米国)において「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第15回年次会合」が開催され、太平洋クロマグロやメバチ・キハダ・カツオ等の保存管理措置に関する議論等が行われました。
1.中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)について
「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC*1)」は、中西部太平洋における高度回遊性魚類(マグロ、カツオ、カジキ類)資源の長期的な保存及び持続可能な利用を目的とした地域漁業管理機関です。
*1 WCPFC:Western and Central Pacific Fisheries Commission
2.開催日程及び場所
日程:平成30年12月10日(月曜日)~12月14日(金曜日)
場所:ホノルル(米国)
3.参加国・地域等
日本、米国、中国、韓国、豪州、ニュージーランド、太平洋島嶼国(パプア・ニューギニア、ミクロネシア連邦等)等の24か国+EU、台湾
4.我が国出席者
太田 愼吾(おおた しんご) 水産庁資源管理部審議官(我が国代表)ほか、水産庁、外務省、国立研究開発法人 水産研究・教育機構 国際水産資源研究所及び関係業界の関係者
5.結果概要
(1)太平洋クロマグロの保存管理措置について
(ア)「増枠*3」
の未利用分から適用し、2020年の漁獲枠に繰越し。)
*2 「北小委員会」は、主に北緯20度以北の水域に分布する資源(太平洋クロマグロ、北太平洋ビンナガ、北太平洋メカジキ)の資源管理措置について本委員会に勧告を行うWCPFCの下部組織です。*3 本年9月の「北小委員会」では、漁獲上限の見直しについては、合意に至りませんでした。これを受けて、「来年の会合においてISC(*4)が資源の状況を改めて確認した上で、増枠に関する決定を行う」旨の北小委員会の議長提案がなされましたが、我が国は立場を留保していました。今回の年次会合において、我が国は立場の留保を取り下げました。*4 ISC(北太平洋まぐろ類国際科学小委員会)北太平洋におけるまぐろ類資源の科学的評価を目的として設立された国際科学機関。WCPFCに対して科学的情報・提言を提供。
1.太平洋クロマグロの現行の保存管理措置
復させることを暫定回復目標とする。
(イ)30キロ未満の小型魚の漁獲量を平成14年から平成16年まで(2002-2004年)の平均水準
から半減(WCPFC全体で9,450トンから4,725トン、うち我が国が8,015トンから4,007トン
に削減)。
(ウ)30キロ以上の大型魚の漁獲量を平成14年から平成16年まで(2002-2004年)の平均水準
から増加させない(WCPFC全体で6,591トン、うち我が国は4,882トン)。
現在の目標である「暫定回復目標」を達成した後、10年以内に60%以上の確率で「初期資源量(*5)の20%(約13万トン)」まで資源を回復させる。
*5 初期資源量とは、資源評価上の仮定を用いて、漁業がない場合に資源が理論上どこまで増えるのかを推定した数字であり、かつてそれだけの資源があったということを意味するものではありません。
(B)75%を上回った場合、(a)「暫定回復目標」の70%以上を維持、かつ(b)「次期回復
目標」の60%以上を維持する範囲で増枠の検討が可能。
れ以下となった場合、管理措置を強化する水準)」について、平成30年(2018年)から
議論を開始する。
は加入の著しい低下の兆候が見られた場合に実施)に変更。
(い)上記「漁獲制御ルール」を適用することで、迅速な管理措置の改訂により対応。
現行措置の見直しについて議論が行われた結果、現行措置の2年間(平成31年(2019年)・平成32年(2020年))延長が合意されました。
(ア)まき網漁業
措置 | 平成31・32年(2019・2020年) | |
FAD(*6)禁漁期間 | EEZ内 | 3か月 |
公海 | 5か月 | |
公海操業日数制限 | 先進国に加え、島嶼国がチャーターする船にも適用 | |
FAD個数制限 | 1隻あたり常時350個以下 |
*6 FAD(集魚装置)
我が国のメバチの漁獲枠は18,265トン。
なお、平成28年(2016年)の我が国のメバチの漁獲量は12,610トン。
(3)次回年次会合
次回年次会合は、平成31年(2019年)12月にパプア・ニューギニアで開催される予定です。
6.その他
<添付資料>
中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の概要
お問合せ先
資源管理部国際課
担当者:三輪、青木、米窪