1702地球物理及び地球化学

令和3年12月の地殻変動 1702地球物理及び地球化学

令和3年12月の地殻変動

GNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた、2021年11月中旬から2021年12月中旬までの1か月間の地殻変動概況は、東北地方を中心に、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。火山周辺では、硫黄島において地殻変動が見られます。
福徳岡ノ場の火山活動について(12 月27 日観測) 1702地球物理及び地球化学

福徳岡ノ場の火山活動について(12 月27 日観測)

福徳岡ノ場の火山活動について(12 月27 日観測)新島:12 月14 日の観測結果と比較し、新島は縮小しており、波浪により陸地が見え隠れしている状況であった。活動:観測中の噴火は認められなかった。変色水:新島の東側から茶褐色の変色水の湧出を認め、同位置から東側約5㎞にかけて黄緑色の変色水の分布を認めた。福徳岡ノ場の東約5㎞付近に長さ約400m弱の軽石と思われる筋状の浮遊物を認めた。
津波が作った磁場から波高がわかる~海底で観測された磁場と津波波高の直接比較~ 1702地球物理及び地球化学

津波が作った磁場から波高がわかる~海底で観測された磁場と津波波高の直接比較~

2011年に世界で初めて「津波が観測可能な電磁場を伴うこと」を海底観測により実証しました。本研究ではそれをさらに発展させ、津波の波高と海底磁場の同時観測データを用いて、津波とそれが作る磁場の位相と振幅の関係を解明しました。この結果は、磁場が津波に非常に敏感であることを示し、津波の早期警戒法の改善に今後役立つものと考えられます。
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海洋由来のエアロゾル粒子が南極海上空の雲の性質に影響 〜衛星観測をもとに解明〜 1702地球物理及び地球化学

海洋由来のエアロゾル粒子が南極海上空の雲の性質に影響 〜衛星観測をもとに解明〜

衛星観測で得られた雲の相状態(水雲か氷雲か)を判別できるデータから、南大洋及び南極大陸沿岸域での氷雲の存在割合を調査しました。夏季には、上空の気温が約-10℃以上の環境下で、ほかの温度帯よりも氷雲の存在割合が高く、海洋生物由来の粒子が氷晶の核となり氷雲の形成を促進している可能性が示されました。一方、冬季には、海から大気へ雲の核となる粒子を大量に供給する波しぶきが形成される強風時に、上空の気温が約-20℃以上の環境下で氷雲の存在割合が高くなることが明らかとなりました。
令和3年12月9日11時5分のトカラ列島近海の地震に伴う地殻変動~現時点では顕著な地殻変動は見られません。~ 1702地球物理及び地球化学

令和3年12月9日11時5分のトカラ列島近海の地震に伴う地殻変動~現時点では顕著な地殻変動は見られません。~

令和3年(2021年)12月9日11時5分にトカラ列島近海で発生した地震について、震源域周辺の電子基準点で観測された12月15日8時59分までのデータを解析した結果、現時点では、ばらつきを超える顕著な地殻変動は見られません。
1月の北西太平洋の爆弾低気圧が近年急増~東シナ海上の温暖多湿化が要因~ 1702地球物理及び地球化学

1月の北西太平洋の爆弾低気圧が近年急増~東シナ海上の温暖多湿化が要因~

過去55年にわたる北太平洋の爆弾低気圧活動の長期変化について解析を行いました。1980年代後半以降、大陸からの季節風に伴う寒気の吹き出しが弱まり、中国南部から東シナ海にかけて対流圏下層の湿潤な前線帯が強化されていました。この前線帯で発生し、日本南岸を通過しながら北西太平洋で急激に発達する低気圧の頻度が増えたことが、爆弾低気圧の急増に繋がっていることを明らかにしました。
2021年11月の地震活動の評価+補足(12 月1日以降の地震活動) 1702地球物理及び地球化学

2021年11月の地震活動の評価+補足(12 月1日以降の地震活動)

2021-12-09 地震調査研究推進本部,地震調査委員会1.主な地震活動目立った活動はなかった。2.各領域別の地震活動(1)北海道地方目立った活動はなかった。(2)東北地方○ 11 月9日に福島県中通りの深さ約5㎞でマグニチュード(M)4...
令和3年11月の地殻変動 1702地球物理及び地球化学

令和3年11月の地殻変動

2021年10月中旬から2021年11月中旬までの1か月間の地殻変動概況は、別紙のとおりです。東北地方を中心に、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。火山周辺では、硫黄島において地殻変動が見られます。
超深海の変質したマントル岩石の内部で炭素を含む海水が循環していることを明らかに 1702地球物理及び地球化学

超深海の変質したマントル岩石の内部で炭素を含む海水が循環していることを明らかに

伊豆・小笠原海溝の水深6,400メートルの陸側岩盤を調査・分析した結果、炭素を含む海水が前弧マントル内を数万年以上かけて循環していたことが明らかとなった。沈み込み帯浅部の前弧マントルは、数万年以上炭素を保持できる炭素貯蔵庫である可能性が示され、深海生命活動との関係解明が期待される。
中央アメリカにおける大地震と火山活動との関係に関する新発見 1702地球物理及び地球化学

中央アメリカにおける大地震と火山活動との関係に関する新発見

中央アメリカにおける大地震と火山活動との因果関係について、統計計算に基づく検証を行うことで、地震の発生と火山の噴火回数の増加に明らかな因果関係があることを示しました。これらの地震は、既に噴火の準備段階に入った火山にのみ、噴火を促す方向に作用した可能性が高いことも分かりました。
海洋表層の鉛直混合がインド洋ダイポールモード現象に与える影響を解明 1702地球物理及び地球化学

海洋表層の鉛直混合がインド洋ダイポールモード現象に与える影響を解明

インド洋熱帯域で発生する正と負のインド洋ダイポールモード現象の強さが異なる原因を、領域海洋モデルを用いたシミュレーションにより特定した。海洋上層の熱収支を正確に評価することで、正と負のインド洋ダイポールモード現象の強さの違いに、海洋表層の鉛直混合過程が重要な役割を果たしていることが初めて明らかになった。
気候と氷床のシミュレーションから示される退氷期の気候システムの変動 1702地球物理及び地球化学

気候と氷床のシミュレーションから示される退氷期の気候システムの変動

全球気候モデルを用いて過去2つの退氷期を比較する古気候実験を行い、北半球氷床の融解水の量が異なると観測された急激な気候変化の特徴が再現されることが分かりました。氷床の融解水が多いと、温暖化が大西洋深層循環を強めようとする働きを阻害するためで、過去2つの退氷期で海水準の上昇速度が異なることと整合する結果です。また北半球氷床の融解には地球の軌道要素の違いが関わることを北半球氷床モデルの古気候実験から示しました。氷期サイクルを駆動する地球軌道要素が北半球氷床を融解させて大西洋深層循環に作用することを通して、過去2つの退氷期の気候変化の違いの原因となることを示唆します。
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