「魔女の雑草」の寄生戦略を分子レベルで解明~ストライガ防除に向けた分子標的を発見~

2025-09-18 理化学研究所

Web要約 の発言:
理化学研究所などの研究チームは、アフリカの乾燥地農業に壊滅的被害をもたらす根寄生雑草ストライガの寄生戦略を分子レベルで解明した。ストライガは植物ホルモンABAによる気孔閉鎖シグナルに極めて鈍感で、乾燥下でも気孔を閉じず蒸散流を維持し、宿主作物から効率的に水分と養分を奪う。本研究では、その要因遺伝子ShPP2C1にストライガ特異的なアミノ酸変異が存在し、ABA受容体PYLによる抑制を受けないため気孔閉鎖が阻害されていることを特定した。さらに、この変異はストライガ属に特有であることも判明。成果はストライガ防除の分子標的として新たな戦略開発に繋がると期待される。論文はJournal of Experimental Botanyに掲載。

「魔女の雑草」の寄生戦略を分子レベルで解明~ストライガ防除に向けた分子標的を発見~

図1 乾燥地で特に被害を出すストライガ

ストライガは乾燥条件下でも気孔を開いたまま蒸散を行う。一方、宿主となった作物ではABAのシグナルにより気孔が閉じる。それにより、蒸散流の流れがストライガ側に向き、宿主から養水分を奪う。この戦略は特に、蒸散の差を利用できる乾燥条件下で深刻な被害をもたらす。

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1202農芸化学
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