2024-10-09 アメリカ合衆国・テキサス A&M 大学
・ テキサス A&M 大学とサンディア国立研究所(SNL)が、形状記憶合金(SMA)を使用した、能動的なインターロッキングメタ表面(ILM)技術を開発。
・ ILM は、ボルトや接着剤等による従来技術に比べ、構造物の強度と安定性を高めるように設計された新しい接合技術。レゴブロックやベルクロ(マジックテープ)と同様に、ILM では力の伝達と動作の制限を通じて 2 個の物体を接合するが、この接合方法は受動的であり、係合する力を要していた。
・ 本研究では、温度変化によって変形した後に元の形状を復元できる、ニッケルチタンによる SMA を統合することで能動的な ILM を設計し、3D プリントで製造。一貫した接合強度と構造の保全性を維持しながら、必要に応じた選択的な分離・再結合が可能なことを実証した。
・ 温度変化による接合技術の制御は、強度や安定性を損なうことなく、柔軟性と機能性を備えた、スマートで適応性のある構造の可能性を開くもの。
・ 能動的 ILM は、精密で反復可能な組み立て・分解を必要とする航空宇宙、ロボット工学、バイオ医療機器等の多様なアプリケーションにおいて、機械的な接合設計に革新をもたらす可能性がある。
・ 部品を何度も組み立てたり分解したりする必要のある、再構成可能な航空宇宙工学用の構成部品の設計や、ロボット工学の機能性を高める柔軟で適応性のある関節を提供する。また、身体の動きや温度に合わせたインプラントや義肢の調整機能は、使用者により良い選択肢を提供する。
・ 今回の SMA では、熱を加えることで ILM の形状を復元できるが、この研究成果をさらに発展させ、SMAの超弾性効果を利用した、非常に高い応力レベル下でも大きな変形を耐久して瞬時に回復する ILM の開発を目指す。
・ 3D プリント作製した複雑な ILM で超弾性を達成することで、特定の場所での構造剛性の制御と高いロッキング力による再接合が可能となる。また、極限環境での接合技術の長年の課題への対処にも期待できる。
・ 本研究には、米国エネルギー省(DOE) サンディア国立研究所(SNL)が資金を提供した。
URL: https://today.tamu.edu/2024/10/09/no-bolts-about-it-new-technology-improves-structural-strength/
<NEDO海外技術情報より>
関連情報
Materails & Design 掲載論文(フルテキスト)
Active interlocking metasurfaces enabled by shape memory alloys
URL: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0264127524005112?via%3Dihub
Highlights
- Successfully manufactured two complex active NiTi Shape Memory Alloy (SMA) Interlocking Metasurfaces (ILMs) using laser powder bed fusion with a structured process optimization framework.
- Finite element analysis and digital image correlation accurately predicted and validated strain behaviors during engage-disengage cycles.
- ILMs exhibited high locking forces, complete shape recovery, and robust cyclic stability, demonstrating functional durability.