粘土コロイド中における光エネルギーアップコンバージョン系の構築

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2024-05-24 愛媛大学

愛媛大学理学部佐藤久子研究員(プロジェクトリーダー、元理工学研究科 教授)および大学院修了生の山本将平氏(2022年度修了)の研究グループは、東邦大学医学部、物質材料研究機構、日本大学文理学部との共同研究によって、粘土コロイド中における光アップコンバージョン(UC)系の構築に成功しました。
入射光よりも短波長の発光を起こすエネルギー変換を行うUCには高度に設計された反応系が求められ、これを今回天然に容易に得られるコロイド粘土系で実現したことに大きな意義が認められます。
地上豊富に存在する粘土鉱物を用いることにより、環境負荷の少ない“光エネルギーの高度利用”として将来的な発展が期待されます。

研究のポイント

・光アップコンバージョン(UC)は、入射光よりも短波長の発光を起こすエネルギー変換である。太陽エネルギーの高効率化、生体系におけるその場検出など幅広い応用が期待される。
・入射光よりも長波長の発光を示す通常の発光系と異なり、UCには高度に設計された反応系が求められる。今回、これをコロイド粘土系で実現した。
・2次元に制限された粘土面の効果として、立体選択的UCを実現し、キラルセンシング(光学活性分子の検出)への道を拓いた。


合成サポナイト中でのキラル分子[Ru(phen)3]2+ (ドナー)とキラルDPA(アクセプター)を用いたUC発光のイメージ図

論文情報

掲載誌:Applied Clay Science
題名:Up-conversion of Photon Energy in Colloidal Clay Systems
(和訳:粘土コロイド中における光エネルギーアップコンバージョン系の構築)
著者:Akihiko Yamagishi, Kenji Tamura*, Shohei Yamamoto, Fumi Sato, Jun Yoshida and Hisako Sato*
DOI:10.1016/j.clay.2024.107397
URL:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0169131724001455

プレスリリース資料はこちら(PDF 544KB)

本件に関する問い合わせ先

愛媛大学理学部 研究員(プロジェクトリーダー) 佐藤 久子

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