2024-04-12 理化学研究所,筑波大学,東京大学,慶應義塾大学
理化学研究所(理研)開拓研究本部 加藤ナノ量子フォトニクス研究室の方 楠 基礎科学特別研究員(研究当時、現客員研究員)、加藤 雄一郎 主任研究員(光量子工学研究センター 量子オプトエレクトロニクス研究チーム チームリーダー)、筑波大学 数理物質系ナノ構造物性研究室の岡田 晋 教授、東京大学大学院工学系研究科 マテリアル工学専攻の長汐 晃輔 教授、慶應義塾大学 理工学部 物理学科の藤井 瞬 助教らの共同研究グループは、1次元と2次元という異なる次元性を持つナノ半導体の界面において室温で動作する量子光源が存在することを発見しました。
本研究成果は、量子通信や量子計算などの量子技術[1]への応用に貢献すると期待されます。
今回、共同研究グループは、1次元半導体であるカーボンナノチューブ[2]と2次元半導体であるセレン化タングステン[3]を用い、これらのナノ物質の構造を原子レベルで明らかにした上で異次元ヘテロ構造[4]を作製しました。バンドエンジニアリング[5]の概念に基づいて電子と正孔が分かれやすいヘテロ構造を特定し、その発光特性を調べたところ、室温で明るい量子発光を示す界面励起子[6]が存在しました。異次元ヘテロ構造の界面励起子が量子光源として振る舞うことは想定外であり、室温で動作する通信波長帯の単一光子源として量子技術への応用に新たな道を開く可能性があります。
本研究は、科学雑誌『Nature Communications』オンライン版(4月11日付、日本時間4月11日)に掲載されました。
異次元ヘテロ構造における界面励起子の模式図
背景
半導体素子の微細化は物理的制約に直面しつつあり、その状況を打開するために低次元半導体が注目されています。低次元半導体は従来の3次元結晶ではなく、厚さが原子1層程度の極めて薄い層で構成されており、微細化の限界を克服する可能性を秘めているからです。このような原子レベルの微細な構造では、室温でも量子効果[1]による新たな物性の発現が期待できるため、1次元半導体である単層カーボンナノチューブや2次元半導体である遷移金属ダイカルコゲナイド[7]などの低次元半導体の研究は、微細化限界の克服のみならず次世代の量子技術への応用可能性を模索する重要な分野となっています。
代表的な1次元半導体である単層カーボンナノチューブ(以下、カーボンナノチューブ)は、炭素原子が六角形の格子状に並んだ原子1層の膜(グラフェン)を直径1~3ナノメートル(nm、1nmは10億分の1メートル)程度の筒状に丸めた構造を持つ物質です(図1a)。その巻き方はチューブの円周方向のベクトルを定義する二つの整数(n,m)により決まり、この炭素原子の並び方(幾何構造)を特定する(n,m)のことを「カイラリティ」と呼びます(図1b)。また、(n,m)の値によりカーボンナノチューブのバンドエネルギー[8]は大きく変わるため、発光測定を利用することで原子配列を厳密に同定することができます。
図1 単層カーボンナノチューブの模式図
(a)単層カーボンナノチューブは、炭素原子が六角形の格子状に並んだ原子1層の膜(グラフェン)を筒状に丸めた構造をしている。その直径は1~3nm程度である。
(b)(a)のカーボンナノチューブの円周1巻きに相当するベクトル(赤い矢印)をグラフェン上に描くと、グラフェンの基本格子ベクトルa1、a2の重ね合わせで表現できる。このときに現れる二つの係数n、mを用いて、カーボンナノチューブの幾何構造を定義する。図中のθをカイラル角と呼ぶ。
一方、遷移金属ダイカルコゲナイドの一種であるセレン化タングステンは、タングステンとセレンの原子から成る層状の2次元半導体です(図2)。各層の厚さは約0.7nmであり、層間はファンデルワールス力[9]という弱い力によって結合しています。
図2 セレン化タングステンの模式図
灰色のボールはタングステンの原子を表し、緑色のボールはセレンの原子を表している。(a)は立体構造、(b)は平面構造を表している。
異なる次元性を持つこれら二つの低次元半導体を接合させたヘテロ構造を作ると、カーボンナノチューブの大きなバンドエネルギー変調を利用することで、原子数層程度の極薄半導体構造でのバンドエンジニアリングによる新たな物性や革新的な機能の発現が見込めます。これまでに理研では、幾何構造(原子配列)を同定したカーボンナノチューブと特定の層数を持つセレン化タングステンを正確な位置に配置して接合させ、次元性が異なる構造を持つナノ物質を組み合わせて清浄で欠陥の少ないヘテロ構造を構築し、バンドエネルギー共鳴[8]によって励起子移動が増強する現象を発見しました注1)。このとき励起子移動が起きるのはタイプⅠヘテロ構造[4]でしたが、電子と正孔が分かれやすいタイプⅡヘテロ構造[4]では新しい種類の励起子状態が発現する可能性があるため、今回、その発光特性を調べました。
注1)2023年12月15日プレスリリース「ナノ半導体界面でのエネルギー共鳴現象を発見」
研究手法と成果
共同研究グループは、理研で独自に開発した手法であるアントラセン媒介転写[10]注2)を用いて、カーボンナノチューブとセレン化タングステンを組み合わせた異次元ヘテロ構造を作製しました。まず、カイラリティ・オン・デマンド測定[11]と同様に、基板上に合成したカーボンナノチューブの位置と幾何構造(原子配列)をデータベース化し、望む構造のカーボンナノチューブを選定します。セレン化タングステンの層数は光学顕微鏡で特定することができるため、あらかじめ層数の分かったセレン化タングステンを、先ほど選定した幾何構造(原子配列)を有するカーボンナノチューブの上に転写して、設計通りの異次元ヘテロ構造を完成させました。
次に、フォトルミネッセンス分光[12]により、異次元ヘテロ構造の励起子状態を調べました。(9,4)カーボンナノチューブ上に単層のセレン化タングステンを転写する前後における分光データを図3に示します。ヘテロ構造を形成する前のナノチューブだけに由来するスペクトルでは、カーボンナノチューブ内の電子と正孔で形成されるE11と呼ばれる励起子の発光ピークがはっきりと観測されています(図3a)。転写後のスペクトルでは、E11励起子より低エネルギーの0.924と0.821電子ボルト(eV)に新たなピークが出現しました。これらのピークは、セレン化タングステン内の正孔とカーボンナノチューブ内の電子から成る界面励起子が発光したものである可能性があります。その場合、電子と正孔が分かれやすいタイプⅡヘテロ構造でのみ、観測されるはずです。
図3 ヘテロ構造形成前後の分光特性の変化
(9,4)カーボンナノチューブと単層セレン化タングステンの(a)ヘテロ構造形成前および(b)形成後のフォトルミネッセンス分光データ。
そこで、種々のカイラリティのナノチューブとのヘテロ構造を作製して調べたところ、これらのピークはバンドギャップエネルギーの大きいカーボンナノチューブを用いたヘテロ構造でのみ観測され、界面励起子による発光であるという解釈と整合性のある結果が得られました(図4)。
図4 種々のヘテロ構造の分光特性
界面励起子の発光ピークは矢印で示されている。各スペクトルで、最も高いエネルギーを持つピークはE11励起子に対応している。(9,4)/2Lは(9,4)カーボンナノチューブと二層セレン化タングステンから成るヘテロ構造を指し、他のヘテロ構造についても同様の表記法を用いている。
界面励起子は、従来のE11励起子とは異なる特徴をいくつか示します。測定されたフォトルミネッセンス減衰曲線によると、E11励起子の寿命は59ピコ秒(ps、1psは1兆分の1秒)であるのに対し、界面励起子の寿命は673psと、大幅に長くなっています。この実験結果は、界面励起子では電子と正孔が空間的に分離しているため長寿命であるという予想と一致しています(図5a)。
フォトルミネッセンス分光データの励起強度依存性を見ると、0.04マイクロワット(μW、1μWは100万分の1ワット)という低励起強度では、界面励起子の発光強度はE11励起子よりも強く、明るいことが観察されています(図5b)。しかし高励起強度にしても界面励起子の発光量はあまり増加せず、むしろE11励起子の発光の方が強くなることから、界面励起子の発光が低い励起強度で飽和してしまうことが分かります。このように低励起強度で発光が飽和するという現象はゼロ次元の量子ドットなどに見られる特性で、本来1次元性を示すべき界面励起子が局在している、つまりゼロ次元化していることを示唆しています。界面励起子が室温でも局在しているならば、量子ドットと同じように量子性を示す可能性があります。
図5 界面励起子の特性
(a)E11励起子と界面励起子のフォトルミネッセンス減衰曲線と(b)励起パワー依存性。
そこで、界面励起子の量子性を調べるために、二光子相関測定を実施しました。その結果、界面励起子からの発光は、二次相関関数が時間差ゼロで小さい値を取るアンチバンチングを示し(図6)、光子を一粒ずつ発生させる量子光源としての特性を持つことが明らかになりました。一方、局在していないE11励起子からはアンチバンチングは観察されず、量子性の発現は局在している界面励起子の性質と関連していると考えられます。
図6 界面励起子発光の量子性
(a)界面励起子と(b)E11励起子の二光子相関測定結果。
注2)2021年5月25日プレスリリース「原子精度で定義されたナノ物質を正確に配置」
今後の期待
本研究では、原子レベルで構造が定まっている1次元と2次元のナノ物質を用いた異次元ヘテロ構造で明るく発光する界面励起子を発見しました。界面励起子はタイプⅡヘテロ構造を形成するバンドギャップエネルギーの大きいカーボンナノチューブを用いた場合でのみ観測されることが確認され、予想通りに長寿命であることも明らかになりました。さらに、予測されていなかった特性として、室温でも界面励起子が局在化しており、単一光子を発生することが分かりました。
今後は、新たな量子技術への応用可能性を念頭に、界面励起子の局在状態をさらに最適化して単一光子の純度を高めるなど、単一光子源としての性能向上に期待がかかります。また、界面励起子が局在している理由など、室温で量子性を示す根本的な理由は分かっておらず、基礎的な理解を深める必要性も残っています。
補足説明
1.量子技術、量子効果
量子技術とは、量子効果を利用する量子計算や量子通信などの技術を指す。量子効果は量子力学的な振る舞いによって生じる効果のこと。具体的にはナノ構造の大きさに電子のエネルギーが依存する量子閉じ込め効果や、電子がエネルギー障壁を透過するトンネル現象など。
2.カーボンナノチューブ
炭素原子だけから成るチューブ状の1次元のナノ物質。単層カーボンナノチューブと、単層カーボンナノチューブが入れ子になった多層カーボンナノチューブがある。本研究では単層カーボンナノチューブのみを用いた。
3.セレン化タングステン
タングステンとセレンから成るナノ物質で、原子層状の構造を持つ遷移金属ダイカルコゲナイド(補足説明[7]参照)の一種。各層はファンデルワールス力(補足説明[9]参照)で弱く結合している。半導体特性を持ち、層数によってバンドエネルギーが変化する。単層の場合は直接遷移型半導体であり、光学的応用に適している。
4.ヘテロ構造、タイプⅠヘテロ構造、タイプⅡヘテロ構造
異なる種類の材料、特に半導体材料が接合されて形成される構造のこと。異なる材料の電子物性が接合部(界面)で相互作用するため、単一材料では実現不可能な電子的、光学的特性を実現することができる。ヘテロ構造にはタイプⅠとⅡがあり、タイプⅠでは電子と正孔が一方の物質内で低いエネルギー状態を取るのに対し、タイプⅡではそれぞれ別々の物質内で低いエネルギー状態を取る。そのため、タイプⅠは電子と正孔が再結合しやすくLEDなどの発光素子で用いられ、逆にタイプⅡは電子と正孔を分離しやすく有機太陽電池などで用いられる。
5.バンドエンジニアリング
材料の電子構造、特にエネルギーバンドの特性を制御することで新たな機能や特性を引き出す技術。主に半導体材料に適用され、優れた電気的特性や光学的特性を得るために用いられる。高性能な電子素子である高電子移動度トランジスタや、LEDで用いられている量子井戸構造などはバンドエンジニアリングを利用した構造の代表例。
6.励起子
電子と正孔がクーロン引力で結合して対を形成した状態の粒子のこと。励起子が再結合する際に光子を放出するため、いわば光のもととなる粒子。
7.遷移金属ダイカルコゲナイド
遷移金属とカルコゲン(硫黄、セレン、テルルなど)から成る化合物群。層状構造を持ち、2次元材料とも呼ばれる。セレン化タングステンも遷移金属ダイカルコゲナイドの一種。
8.バンドエネルギー、バンドエネルギー共鳴
物質中の電子が取り得るエネルギー。結晶中の電子は連続的に分布するエネルギー準位を取り、エネルギーバンドを形成する。複数のバンド間には電子が存在し得ない領域があり、これをバンドギャップという。バンドエネルギー共鳴は、主に固体物理学や半導体物理で扱われる概念で、電子や正孔が固体中を移動する際、ある状態のエネルギーが他の状態のエネルギーと一致した際にこれらのエネルギー状態間の遷移が共鳴的に増強される現象を指す。
9.ファンデルワールス力
分子や原子間に働く非常に弱い相互作用の総称。この力は、分子や原子が互いに非常に接近している場合に顕著になり、化学結合(共有結合やイオン結合など)よりもはるかに弱い力である。
10.アントラセン媒介転写
昇華性が高いアントラセン分子の結晶を媒介として使用し、遷移金属ダイカルコゲナイドやカーボンナノチューブを拾い上げ、精密に位置制御して転写することが可能。アントラセン分子の昇華性が高いため、表面を清浄に保つことができる。
11.カイラリティ・オン・デマンド測定
理研が独自開発した測定技術。基板上に合成したカーボンナノチューブのカイラリティ(幾何構造)を分光測定によって同定し、位置・長さと合わせてデータベース化することで所望の特性を持つカーボンナノチューブを測定対象にできる。独自開発した装置では、自動ステージにより試料表面を10mm×10mm以上の範囲にわたって常に焦点を合わせた状態で走査できるほか、励起レーザーの波長・強度・偏光を自動制御可能。自動測定により数千本のカーボンナノチューブが評価できるため、合成段階で完全に制御することが難しいナノ物質であっても、原子レベルで正確な構造を特定して利用することが可能になる。
12.フォトルミネッセンス分光
フォトルミネッセンスは、光で物質を励起した後、そのエネルギーが光として放出される現象。フォトルミネッセンス分光は、放出される光のエネルギーに対して光強度を測定する分光手法。
共同研究グループ
理化学研究所 開拓研究本部 加藤ナノ量子フォトニクス研究室
基礎科学特別研究員(研究当時)方 楠(ファン・ナン)
(現 客員研究員)
訪問研究員 張 益仁(チョウ・イージン)
基礎科学特別研究員 フォン チー・ファイ(Chee Fai FONG)
主任研究員 加藤 雄一郎(カトウ・ユウイチロウ)
(理研 光量子工学研究センター 量子オプトエレクトロニクス研究チーム チームリーダー)
慶應義塾大学 理工学部 物理学科
助教 藤井 瞬(フジイ・シュン)
(理研 光量子工学研究センター 量子オプトエレクトロニクス研究チーム 客員研究員)
産業技術総合研究所 プラットフォームフォトニクス研究センター
ハイブリッドフォトニクス研究チーム
研究員 山下 大喜(ヤマシタ・ダイキ)
(理研 光量子工学研究センター 量子オプトエレクトロニクス研究チーム 客員研究員)
筑波大学 数理物質系ナノ構造物性研究室
教授 岡田 晋(オカダ・ススム)
助教 丸山 実那(マルヤマ・ミナ)
助教 高 燕林(ガオ・ヤンリン)
物質・材料研究機構 ナノアーキテクトニクス材料研究センター
2次元系量子材料グループ
主任研究員 小澤 大知(コザワ・ダイチ)
(理研 光量子工学研究センター 量子オプトエレクトロニクス研究チーム 客員研究員)
東京大学大学院工学系研究科
機械工学専攻
助教 大塚 慶吾(オオツカ・ケイゴ)
(理研 開拓研究本部 加藤ナノ量子フォトニクス研究室 客員研究員)
マテリアル工学専攻
教授 長汐 晃輔(ナガシオ・コウスケ)
研究支援
本研究は、日本学術振興会(JSPS)科学研究費助成事業基盤研究(A)「原子精度ナノ物質による異次元ヘテロ構造の光物性とデバイス物理(研究代表者:加藤雄一郎)」、同基盤研究(B)「単層カーボンナノチューブにおける励起子エンジニアリング(研究代表者:加藤雄一郎)」「単一量子欠陥の決定論的形成とその光物性解明(研究代表者:小澤大知)」、同学術変革領域研究(A)「2.5次元構造体のための物質創製(研究代表者:岡田晋)」、同特別研究員奨励費「ファンデルワールス異次元ヘテロ構造における光物性とその応用(研究代表者:加藤雄一郎、外国人特別研究員:Yih-Ren CHANG)」、同若手研究「超高Q値微小光共振器を用いた二次元材料の非線形光学効果の発現(研究代表者:藤井瞬)」「二次元層状半導体を積載した微小光共振器による光スイッチデバイスの研究(研究代表者:山下大喜)」「原子層物質の柔軟性が誘起する複合系大規模ナノ構造の科学(研究代表者:丸山実那)」「Demonstration of valley spin devices by coupling 2D semiconductors to chiral photonic crystal nanocavities(研究代表者:Chee Fai FONG)」の助成を受けて行われました。
原論文情報
N. Fang, Y. R. Chang, S. Fujii, D. Yamashita, M. Maruyama, Y. Gao, C. F. Fong, D. Kozawa, K. Otsuka, K. Nagashio, S. Okada, Y. K. Kato, “Room-temperature quantum emission from interface excitons in mixed-dimensional heterostructures”, Nature Communications, 10.1038/s41467-024-47099-6
発表者
理化学研究所
開拓研究本部 加藤ナノ量子フォトニクス研究室
基礎科学特別研究員(研究当時)方 楠(ファン・ナン)
(現 客員研究員)
主任研究員 加藤 雄一郎(カトウ・ユウイチロウ)
(光量子工学研究センター 量子オプトエレクトロニクス研究チーム チームリーダー)
筑波大学 数理物質系 ナノ構造物性研究室
教授 岡田 晋(オカダ・ススム)
東京大学大学院工学系研究科 マテリアル工学専攻
教授 長汐 晃輔(ナガシオ・コウスケ)
慶應義塾大学 理工学部 物理学科
助教 藤井 瞬(フジイ・シュン)
報道担当
理化学研究所 広報室 報道担当
筑波大学 広報局
東京大学大学院工学系研究科 広報室
慶應義塾 広報室