令和6年2月の地殻変動

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2024-03-08 国土地理院

全国の地殻変動概況

国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた、2024年1月下旬から2024年2月下旬までの1か月間の地殻変動概況は、別紙1~7のとおりです。東北地方を中心に、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。また、能登半島を中心に、令和6年能登半島地震に伴う地殻変動が見られます。
火山周辺では、硫黄島において地殻変動が見られます。

トピックス
  • 令和6年能登半島地震の後、能登半島及びその周辺で余効変動と考えられる地殻変動が見られています。(別紙8)
  • 房総半島では、2月26日頃からわずかな地殻変動(非定常地殻変動)が検出されました。この変動は、房総半島沖のフィリピン海プレートと陸側のプレートの境界面で発生している「ゆっくりすべり(スロースリップ)現象」によるものと推定されます。(別紙9)
  • 静岡県西部から愛知県東部では、2022年初頭からそれまでの傾向とは異なる地殻変動が観測されています。この変動は、東海周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。(別紙10)
  • 四国中部で、2019年春頃から観測されているそれまでの傾向とは異なる地殻変動は、最近は鈍化しているように見えます。この変動は、四国中部周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。(別紙11)
  • 浅間山では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙12)
  • 硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」で隆起が継続しています。なお、だいち2号によるSAR干渉解析結果によると、ノイズレベルを超える変動は見られません。また、SAR強度画像では1月31日と比べて翁浜沖の反射強度の強い領域に大きな変化は見られません。(別紙13)
  • 阿蘇山では、2023年12月頃から阿蘇山を挟む「阿蘇」-「長陽」等の基線でわずかな伸びが見られます。(別紙14)
  • 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む「鹿児島郡山」-「鹿児島福山」等の基線で2023年9月頃から見られていたわずかな伸びは、2023年12月頃から停滞しています。桜島島内の「桜島」-「鹿児島2」等の基線で2023年10月頃から見られていたわずかな伸びは、2023年12月頃から停滞しています。(別紙15)
  • 薩摩硫黄島では、「鹿児島三島」で2023年10月頃から西向きのわずかな変動が見られます。(別紙16)
  • 口永良部島では、顕著な地殻変動は観測されていません。なお、だいち2号によるSAR干渉解析結果によると、古岳の火口周辺数百mの範囲に2023年5月以降、衛星に近づく変動が見られていましたが、2023年9月以降はノイズレベルを超える変動は見られません。(別紙17)
  • 諏訪之瀬島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙18)
参考
  • 令和6年能登半島地震に伴う非常に大きな地殻変動が能登半島を中心に広い範囲で観測されました。今回、「舳倉島」の観測データを回収し、解析した結果、「舳倉島」で南東方向に0.3m程度の変動が新たに判明しました。(別紙19-1)。また、電子基準点及びだいち2号のSARデータで観測された地殻変動に基づき、震源断層モデルを推定しました。(別紙19-2)
補足説明
  • 全国の1年間(2023年2月下旬から2024年2月下旬まで)の地殻変動からは、以下のような傾向が見られます。(別紙20)
    ・東北地方を中心とした広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
    ・硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
    ・2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震に伴う地殻変動が見られます。
    ・その他の地方では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。
別紙一覧
出典

本資料を利用する際は、国土地理院コンテンツ利用規約に従ってご利用ください。 なお、利用にあたっては、出典の記載をお願いします。 (出典記載例) 「出典:国土地理院」

問い合わせ先

国土交通省国土地理院
(電子基準点等による地殻変動に関すること)
測地観測センター 地殻監視課長 芝 公成
地理地殻活動研究センター 地理地殻活動総括研究官 矢来 博司

(だいち2号観測データの解析結果に関すること)
測地部 宇宙測地課長 小門 研亮

(震源断層モデルに関すること)
地理地殻活動研究センター 地殻変動研究室長  宗包 浩志

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