廃棄ごみを減らし森林保全へつなげる~アプリ上の「グリーン・ナッジ」導入によるプラットフォーム経済の社会貢献~

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2023-09-08 東京大学

発表のポイント
◆オンラインの食事宅配サービスに対する消費者の需要の高まりは、同時に使い捨てのフォーク・スプーン・箸など「カトラリー」の消費を増加させており、世界的なプラスチック汚染につながっている。
◆本研究では、中国アリババの食事宅配サービスの業務ビッグデータを用いることで、上海市・北京市・天津市における、使い捨てカトラリー消費に対するアプリ上の表示変更修正と、金銭的価値はないものの十分にためれば自分の名前で中国の砂漠に植樹されるという「グリーンポイント」の付与による、二つの「グリーン・ナッジ」の効果を厳密に計測した。結果、「グリーン・ナッジ」によって、カトラリーなし注文のシェアが 6 倍以上増加したことが分かった。
◆仮にこのグリーン・ナッジが中国全土に適用された場合、年間でプラスチック廃棄物を 326 万トン削減することができ、544 万本もの樹木が伐採を免れると推計される。従って、中国のみならず世界的な環境への大きなメリットが期待される。


左は変更前のアプリ画面、右は変更後のアプリ画面

発表概要
コロナ禍の影響もあり、オンラインの食事宅配サービスに対する消費者の需要が高まっており、そのことが使い捨てカトラリーの消費を増加させ、世界的なプラスチック汚染増加の一因になっている。東京大学大学院経済学研究科の澤田康幸教授と、香港大学のヘ・ゴジュン准教授、北京大学のパン・ユハン助教授、アジア開発銀行(ADB)のパク・アルバート主席エコノミスト、ADB のタン・イレーン S. 補佐官からなる国際共同研究グループは、中国における、オンラインの食事宅配サービス大手の一つであるアリババの Eleme と協力して、2019 年 1 月から 2020 年 12 月にわたる顧客レベルの詳細な業務ビッグデータを詳細に分析した。
アリババ Eleme は、上海市・北京市・天津市において、宅配注文を行う際のアプリのデフォルト画面を「カトラリーあり」から「カトラリーなし」に変更し、さらに、金銭的価値はないものの十分にためれば自分の名前で中国の砂漠に植樹されるという「アントフォレスト・グリーンポイント」を付与するという二つの「グリーン・ナッジ」(注 1)を同時に実施した。その結果、カトラリーなし注文のシェアが 6 倍以上増加した。
本研究の分析結果に基づけは、仮にこの「グリーン・ナッジ」が中国全土に適用された場合、年間 217 億 5000 万セット以上の使い捨てカトラリーを節約することができる。その結果年間で、326 万トンのプラスチック廃棄物を削減することができ、544 万本もの樹木が伐採を免れることになる。従って、中国のみならず世界的な環境への大きなメリットが期待される。

詳しい資料は≫

1900環境一般
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