2023-03-15 京都大学
今回の太陽電池の作製工程のイメージ
化学工学専攻の 田辺克明 准教授、岡本和也 同修士課程学生、藤田裕 同修士課程学生、西ヶ谷紘佑 同修士課程学生(研究当時)の研究グループは、素材のSiウェハから大気中かつ室温の工程のみで太陽電池を作製することに成功し、10%を超える発電効率を得ました。
作製した太陽電池は、PEDOT:PSS/Siヘテロ接合太陽電池であり、この有機-無機ハイブリッド太陽電池では、従来のSi太陽電池と異なり、不純物濃度の高いSiウェハを用いても発電が可能であることを見出しました。それによって、電極の実装条件を大幅に緩和することができた点が要因です。この手法は、簡便で低コストかつ高生産速度な太陽電池の作製を可能とし、開発途上国や教育現場などを含む幅広い用途に活用できるものと期待されます。
本成果は、2023年3月14日(現地時刻10:00)に米国の国際学術誌「PNAS Nexus」にオンライン掲載されました。
研究者情報
田辺克明
書誌情報
タイトル
“An all ambient, room-temperature processed solar cell from a bare silicon wafer”
(素のシリコンウェハから大気中、室温で作製された太陽電池)
著者
Kazuya Okamoto, Yutaka Fujita, Kosuke Nishigaya, and Katsuaki Tanabe
掲載誌
PNAS Nexus