量子コンピューターで原子・分子の任意のエネルギー差を 直接計算できる新規量子アルゴリズムを開発
2021-09-02 大阪市立大学,科学技術振興機構
ポイント
- 量子化学計算は、量子コンピューターの近い将来の計算ターゲットとして注目されている。
- 化学では全エネルギーではなくエネルギー差が重要であり、大きな分子でもエネルギー差を直接計算できれば計算コストを抑えることも可能に。
- 原子・分子の任意のエネルギー差を量子コンピューターで直接計算できる新規量子アルゴリズムを開発。
- 開発した量子アルゴリズムは汎用性が高く、量子化学計算だけでなくさまざまな物理問題・数学問題への応用も期待。
大阪市立大学 大学院理学研究科の杉﨑 研司 特任講師、佐藤 和信 教授、工位 武治 名誉教授らの研究チームは、量子コンピューターを用いて原子、分子の任意のエネルギー差を直接計算できる量子アルゴリズムを開発しました。開発した量子アルゴリズムは、量子化学計算だけでなくさまざまな物理問題、数学問題へも応用が期待されます。
本研究成果は、国際学術誌「Physical Chemistry Chemical Physics」に2021年9月2日(木)にオンライン掲載予定です。
本研究は、JST さきがけ「量子化学計算の高効率量子アルゴリズムの開発」(JPMJPR1914)、JSPS 科研費基盤研究C(18K03465、21K03407)の対象研究です。
<論文タイトル>
- “Bayesian phase difference estimation: a general quantum algorithm for the direct calculation of energy gaps”
- DOI:10.1039/d1cp03156b
<お問い合わせ先>
<研究に関すること>
杉﨑 研司(スギサキ ケンジ)
大阪市立大学 大学院理学研究科 物質分子系専攻 特任講師
工位 武治(タクイ タケジ)
大阪市立大学 大学院理学研究科 名誉教授
<JST事業に関すること>
嶋林 ゆう子(シマバヤシ ユウコ)
科学技術振興機構 戦略研究推進部 グリーンイノベーショングループ
<報道担当>
大阪市立大学 広報課 担当:國田(クニダ)
科学技術振興機構 広報課