(Graphene Flagship study predicts increased market penetration by 2025)
2021/1/25 欧州・グラフェンフラッグシップ
・ EU のグラフェン・フラッグシップのパートナーであるフラウンホーファー・システム・イノベーション研究所(ISI)(ドイツ・カールスルーエ)が、グラフェンと関連材料の今後の大規模な市場参入の道筋を予測する「Graphene Roadmap Briefs(2 部構成)」を発表。
・ 2004 年にグラファイトから原子薄の層を剥離して作製されて以来、特に同フラッグシップが先導する技術の進展により、再現性を有する安定した高品質グラフェン製造が実現されている。同フラッグシップはまた、グラフェンの特性やアプリケーションを補う、数千もの層から成る材料の発見や、一貫性と信頼性を確保する製造方法の標準化にも尽力している。
・ 同フラッグシップによるイニシアティブをはじめ、主要産業による莫大な投資により、グラフェン製造はプロトタイプやニッチなアプリケーションを創出可能なレベルに達している。
・ 今回の発表は、グラフェンと関連材料の産業化と商業化への様々な経路を検討する「技術とイノベーションのロードマップ」の最新結果を見直したもの。特に、製造プロセスを変革し、新しいバリューチェーンの新興を引き起こす、グラフェンと関連 材料がもたらす影響についてまとめている。
・ 同フラッグシップの最終目標は、日常製品や製造へのグラフェンと関連材料の完全な統合の達成。将来の産業的ニーズを満たすそれらの機能と共に、この分野の科学的・技術的進展を常に分析する。
・ グラフェンと関連材料は、新材料の創出から個別のコンポーネントや最終製品の改善に至るまで、バリューチェーン全体に付加価値を提供する。複合材料、インクやコーティング材料等のグラフェンの現下のアプリケーションは、すでに商業化が進んでいる(「グラフェン・フラッグシップ・プロダクトギャラリー」にて紹介)。産業界では最新イノベーションの統合と実施の準備がまもなく整い、電池、太陽光パネル、電子・光・通信デバイスや医療用品の製造が開始される。
・ グラフェンの需要は過去 2 年間においてほぼ 4 倍増加しており、標準化や高品質材料の開発により、2025 年までにニッチな製品やアプリケーションを超えた広範囲な市場参入を見込む。
・ 2030 年までに、グラフェンがシリコンや鋼鉄のような破壊的な材料であるかどうかの判断が下される。同フラッグシップではすでに、多様なアプリケーションでのグラフェンの有用性を証明しており、このようなイノベーションがもたらす経済的・社会的な影響からの恩恵を確実に受領するためには、欧州がこの分野でのリーダーの位置を確保することが重要となる。
URL: https://www.graphene-flagship.eu/graphene/news/graphene-flagship-study-predicts-increased-market-penetration-by-2025/
<NEDO海外技術情報より>
(関連情報)
2D Materials 掲載論文(フルテキスト)
Graphene Roadmap Briefs (No. 1):Innovation interfaces of the Graphene Flagship
URL: https://iopscience.iop.org/article/10.1088/2053-1583/abddcc
(関連情報)
2D Materials 掲載論文(フルテキスト)
Graphene Roadmap Briefs (No. 2):Industrialization status and prospects 2020
URL: https://iopscience.iop.org/article/10.1088/2053-1583/abddcd
Abstract
The remarkable properties of graphene and related materials (GRMs) promise substantial benefits for a wide range of technologies. Their industrial utilization, however, critically depends on the availability of suitable GRM supply in terms of both quality and quantity at a competitive price. All factors remain highly specific to the each application scenario, while the emerging GRM supply industry still struggles to engage prospective clients in active development of GRM-enhanced products. The present issue of Graphene Roadmap Briefs compiles results on the status and prospects of GRM industrialization gathered by several innovation interface investigations (3I) that we conducted throughout the past 3 years. Each 3I study focussed a unique prospective value chain that GRM innovation promises to enable or advance in the future. While individual roadmaps mainly cover the peculiarities of the specific GRM supply chain under investigation, we combine all results regarding the primary material supply sector and it is rapidly evolving innovation context in Europe and beyond here. We introduce both the initial 2018 graphene industrialization roadmap and its thorough 2020 revision and extension. Our conclusions cover both crucial factors hampering the diffusion GRM today and opportunities to overcome these bottlenecks in the future.