ポンプ内蔵型磁性鉄粉濃度センサー「TF-Detector Type R」を販売開始

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多様な機器への適用が可能で,世界最高レベルの計測能力を有するセンサー

2021-01-25 株式会社IHI

株式会社IHI(所在地:東京都江東区,社長:井手 博)のグループ会社である株式会社IHI原動機(所在地:東京都千代田区,社長:矢矧 浩二,以下「IHI原動機」)は,このたび,磁性鉄粉濃度センサー TF-Detector※1のポンプ内蔵型である「Type R」を製品化し,販売を開始します。

ギア,軸受,油圧ポンプ・モータなどの転動や摺動を伴う機器は,摩耗限界域を超過すると急激に状態が悪化して短時間で損傷してしまうため,損傷予防のためには,高精度かつ高頻度で機器の鉄粉濃度を計測し,早期の異常摩耗を予兆・検知する必要があります。従来の「分光分析法」や「フェログラフィー法」などの高精度な分析手法は,研究所などの専門施設でおこなう必要があるため,高頻度の分析が難しく,課題となっていました。IHI原動機はこれまで,現場で連続的に,高精度での鉄粉濃度計測を実現することで,機器の損傷と二次損害を防ぎ,安全で計画的な設備運用管理を可能にする,インライン型の鉄粉濃度センサーとしてTF-Detectorを販売してきました。

このたび販売する「Type R」は小型ポンプを装置に内蔵することで設置自由度が向上し,温度センサーや圧力センサーと同様に,多様な機器へ容易に適用できる点が特徴です。また,従来型のTF-Detectorのゼロ点シフト補償機構※2を「Type R」に導入することで,振動や温度といった外部環境の影響による計測基準点の変化を抑制し,分解能±3ppmといった世界最高レベルの高精度連続計測を可能とします。

TF-Detectorは,振動や温度変化などの設置環境を選ばずに,激しい温度・圧力・粘度変化のある流体中の鉄粉濃度が計測可能な,適用性と耐久性に優れた計測ソリューションです。IHI原動機は,今後もTF-Detectorシリーズをお客さまに提供するとともに,連続運用と省力化の求められるエネルギー分野,海洋・船舶分野,石油・化学分野から一般産業分野まであらゆる機器の摩耗状態監視ソリューションを,幅広く提案していきます。

※1 TF-Detector (Trace of ferrous material detector):
明陽電機株式会社(所在地:静岡県静岡市,社長:杉野 泰子)と共同で開発した高精度な磁性鉄粉濃度計測機器で,用途に応じた複数のラインアップがあります。主な特徴は以下のとおりです。

  • 流体中の鉄粉濃度を高精度で計測するセンサーで,20ppm以下の低濃度かつ数ミクロンの微小サイズの鉄粉濃度を測定することが可能です。
  • この優れた性能により、通常摩耗時の微量微小の鉄粉濃度も適切に計測できます。
  • 機器の潤滑油中の鉄粉濃度の変化を監視することにより,機器の稼働状態の把握が可能です。

機器の摩耗状態の推移と鉄粉濃度の各分析方法について
機器の摩耗状態の推移と鉄粉濃度の各分析方法について

※2 ゼロ点シフト補償機構:
外部環境の影響によりゼロ点(計測における基準点)が常に変化します。百万分の一(ppm)単位での高精度計測を行うため,このゼロ点の変化を常に抑制します。
【参考画像】ポンプ内蔵型磁性鉄粉濃度センサー「TF-Detector Type R」
ポンプ内蔵型磁性鉄粉濃度センサー「TF-Detector Type R」

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