2020-08-20 海上保安庁
8月19日午後、第三管区海上保安本部羽田航空基地所属航空機により、西之島の火山活動の観測を実施しました。
1.火山活動の状況
8月19日午後、第三管区海上保安本部羽田航空基地所属航空機により、西之島の火山活動の観測を実施しました。詳細は以下のとおりです。
【観測結果】
・火口から大量の火山ガスが放出され、白色の噴煙が高度 3000m に達しており、西之島周辺が火山ガスに覆われていた。
・大量の火山灰や噴石を含む噴煙の放出は確認できなかった。
・火口から溶岩の流出は認められなかった。
・中央火口丘の内壁が高温の状態であった。
・西之島全体が火山灰に覆われていた。
2.航行警報
引き続き西之島の半径 1.4 海里以内を噴火による影響が及ぶ警戒範囲として、付近航行船舶に注意を呼びかけるとともに、新たに火山ガスに対しても注意を呼びかけています。
また、2月4日に変色水が確認された西之島の南方5海里付近についても、引き続き付近航行船舶に注意を呼びかけています。
3.東京工業大学理学院火山流体研究センター 野上健治教授(観測機同乗)のコメント
これまで観測されていた様な大量の火山灰を含む噴煙を放出する噴火は、今回は確認されなかったが、引き続いて極めて莫大な量の火山ガスの放出が継続している。特に、二酸化硫黄の放出は、2000 年の三宅島噴火の際に起きた大量放出の最盛期よりも多いと考えられる。
この結果は、マグマがドレンバック(※)することなく、地下浅所にまだ大量に止まっていることを示唆しており、これまでと同程度の噴火が再開する可能性は決して低くない。
※:地下の浅いところに上がってきたマグマが再び深部に戻っていく現象
4.その他
当庁が実施した調査結果は、随時、海上保安庁海洋情報部HPの「海域火山データベース」にて公開しています。
Web アドレス:https://www1.kaiho.mlit.go.jp/GIJUTSUKOKUSAI/kaiikiDB/list-2.htm