オン・チップの光周波数コム:時計、望遠鏡や遠隔通信に革新をもたらす新設計の「光定規」

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(Comb on a Chip: New Design for ‘Optical Ruler’ Could Revolutionize Clocks, Telescopes, Telecommunications)

2020/6/22 アメリカ合衆国・国立標準技術研究所(NIST)

cryogenically cooled laser microresonator frequency comb

・ NIST とカリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)が、アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)半導体を使用したチップベースのマイクロコムを開発。
・ オンチップの光周波数コムは、次世代原子時計、光ファイバーを流れる信号数の大幅な増加や、未知の惑星の存在を示唆する星の光の周波数の微細な変化の識別等を可能にしている。今回開発したマイクロコムは、時間と周波数のさらに高度な測定能力を提供する。
・ マイクロコムを構成する、毛髪約1本分の幅の環状のデバイスであるマイクロ光共振器では、外部から入射したレーザー光が数千回もの循環を重ねてその強度を増していく。一般的にガラスや窒化シリコンで作製されるマイクロコムでは、外部からのレーザー光の増幅器を必要とするため構成が複雑化し、製造にコストがかかる。
・ AlGaAs 半導体による新マイクロコムは、低エネルギーで稼働するため増幅器が不要であること、また、極めて安定した周波数セット生成の操作が可能という、周波数を高精度で測定する高感度ツールとしてその有望性を裏付ける重要な特性を提供する。
・ 同マイクロコムはまた、研究室外での高精度な周波数測定の実現も支援。さらに、現在のマイクロエレクトロニクスの製造技術と同様なナノファブリケーションによる大量生産が可能。
・ UCSB では、AlGaAs 製のマイクロ共振器を使用した光周波数コムでは、他材料製のものに比べて必要なエネルギーが 1/100 であることがわかっていたが、安定した周波数セットの生成が未達成であった。
・ NIST が極低温装置に同マイクロ共振器を配置し、4K 程度の低温でデバイスを調査したところ、安定した周波数の生成を妨げる唯一の原因がレーザー光の発する熱と共振器内を循環する光の相互作用であることを確認。このような低温度では、一定の形状、周波数と速度で光のパルスがマイクロ共振器内を循環する、ソリトンの状態に達することを実証した。
・ このようなソリトンの状態では周波数コムの歯が等間隔に並び、光時計や周波数合成、レーザーによる距離測定で利用される周波数を測定する定規として機能する。
・ 最新の極低温システムは、新マイクロコムと共に研究室外での使用に十分な小型ではあるが、最終的には室温下での同デバイスの稼働を目指す。今回の研究結果は、その達成には余剰な熱の抑制、または完全な回避が必要であることを示している。
URL: https://www.nist.gov/news-events/news/2020/06/comb-chip-new-design-optical-rulercould-revolutionize-clocks-telescopes

<NEDO海外技術情報より>

(関連情報)

Laser & Photonics Reviews 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)
Dissipative Kerr Solitons in a III‐V Microresonator
URL: https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/lpor.202000022

Abstract

Stable microresonator Kerr soliton frequency combs in a III‐V platform (AlGaAs on SiO2) are demonstrated through quenching of thermorefractive effects by cryogenic cooling to temperatures between 4 and 20 K. This cooling reduces the resonator’s thermorefractive coefficient, whose room‐temperature value is an order of magnitude larger than that of other microcomb platforms like Si3N4, SiO2, and AlN, by more than two orders of magnitude, and makes soliton states adiabatically accessible. Realizing such phase‐stable soliton operation is critical for applications that fully exploit the ultra‐high effective nonlinearity and high optical quality factors exhibited by this platform.

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