燃料電池をより安価にする白金を使用しない触媒

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Platinum-free catalysts could make cheaper hydrogen fuel cells

2020/5/20 アメリカ合衆国・アルゴンヌ国立研究所(ANL)

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・ ANL とロスアラモス国立研究所(LANL)が率いる Electrocatalysis Consortium(ElectroCat)プロジェクトでは、白金フリーの燃料電池触媒の研究開発を実施している。

・ 今回、ノースイースタン大学との共同研究において、鉄、窒素、炭素から成る触媒の熱分解による製造プロセスを原子レベルでリアルタイム観察し、同触媒の有効性のメカニズムの理解と、より効率的でコスト効果的な触媒の開発に役立つ情報を獲得した。

・ 酸素分子の分解酸素イオンとプロトンが結合して水を作る酸素還元反応(ORR)は、水素と酸素を水と電気に変換する燃料電池プロセスの一部。ORR は比較的緩慢な反応で、燃料電池の効率を制限し、多量の白金触媒を必要とする。白金触媒は燃料電池電極の最も高コストな構成部品であり、燃料電池車の普及と持続可能な商用化には、白金使用量の大幅な低減や鉄のような安価な材料を使用した触媒による代替が不可欠。

・ ORR に有望とされる白金フリーの触媒は、鉄、窒素と炭素をベースとしたもの。これらの 3 元素を含んだ前駆体を混合し、熱分解プロセスで 900℃~1100℃で加熱すると、鉄原子が 4 個の窒素原子と結合し、炭素原子 1 個分の層であるグラフェンに埋め込まれる。各鉄原子は ORR が起こる活性部位を有し、それらの部位の密度が高いほど電極の効率性が向上する。

・ X 線吸収分光法で同熱分解プロセス中の原子レベルでの各材料の化学結合状態を観察し、未解明であった活性部位形成のメカニズムを調査した。その結果、これら 3 元素の前駆体混合物の熱分解プロセスでは、窒素-グラフェン部位が最初に形成され、ガス状の鉄原子がこれらの部位に自ら入り込むことがわかった。

・ また、ドーピングにより予め窒素を炭素に注入してから鉄を注入することで、より高密度の活性部位ができることを発見。このプロセスでは、窒素でドープした炭素で、窒素原子 4 グループの中央の空孔に鉄原子が配置され、活性部位ができる。この手法は炭素での鉄原子の集合・埋没を回避し、グラフェン表面で活性部位数を増加させる。

・ 本研究結果は、注入した前駆体と熱分解後の触媒構造のギャップを橋渡しする知見であり、触媒材料中の活性部位密度向上への道筋を提供する。今後もより高活性で安定した白金フリー触媒の開発を推進する。

・ ElectroCat プロジェクトには、DOE のエネルギー効率・再生エネルギー局(EERE)の燃料電池技術室(FCTO)が資金を提供した。

URL: https://www.anl.gov/article/platinumfree-catalysts-could-make-cheaper-hydrogen-fuelcells

<NEDO海外技術情報より>

(関連情報)

Journal of of the American Chemical Society(JACS)掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)

Evolution Pathway from Iron Compounds to Fe1(II)–N4 Sites through Gas-Phase Iron during

Pyrolysis

URL: https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacs.9b11197

Abstract

 

Pyrolysis is indispensable for synthesizing highly active Fe–N–C catalysts for the oxygen reduction reaction (ORR) in acid, but how Fe, N, and C precursors transform to ORR-active sites during pyrolysis remains unclear. This knowledge gap obscures the connections between the input precursors and the output products, clouding the pathway toward Fe–N–C catalyst improvement. Herein, we unravel the evolution pathway of precursors to ORR-active catalyst comprised exclusively of single-atom Fe1(II)–N4 sites via in-temperature X-ray absorption spectroscopy. The Fe precursor transforms to Fe oxides below 300 °C and then to tetrahedral Fe1(II)–O4 via a crystal-to-melt-like transformation below 600 °C. The Fe1(II)–O4 releases a single Fe atom that diffuses into the N-doped carbon defect forming Fe1(II)–N4 above 600 °C. This vapor-phase single Fe atom transport mechanism is verified by synthesizing Fe1(II)–N4 sites via “noncontact pyrolysis” wherein the Fe precursor is not in physical contact with the N and C precursors during pyrolysis.

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