2019-10-31
国土交通省は、株式会社e5ラボ(東京都千代田区)が作成した、海のEV(バッテリー船)の研究開発、導入等に向けた先進船舶導入等計画を認定しました。バッテリー船に関する認定は初であり、この認定が海運のゼロエミッション化の大きな一歩となることを期待しています。
国土交通省は、安全性の向上や環境負荷低減に資する船舶の研究開発、普及等を進めるため、平成29年に海上運送法(昭和24年法律第187号)を改正し、これらの船舶の研究開発・製造・普及に関する計画(先進船舶導入等計画)を認定する制度を設けました。
これまで、IT技術を活用して安全性の向上を図る船舶や、LNGを燃料とすることで環境負荷低減を図る船舶などに関する計画を認定し、その研究開発や導入を促進してきたところですが、今般、新たに、株式会社e5ラボが作成したバッテリー船(※)の研究開発・導入等に関する先進船舶導入等計画「e5 大容量蓄電池ゼロエミッションEV船の開発・建造・運用プロジェクト」を認定いたしました。
バッテリー船に関する認定は、本制度の創設以来初となります。同社の先進的な計画は、海運のゼロエミッション化の選択肢を広げるものであり、ひいては、内航海運における環境負荷低減の取組を加速させる大きな一歩になると期待されるものです。
加えて、バッテリー船は、その静粛性等の特性から、船内の労働環境の改善、職場の魅力向上にもつながると期待されるため、環境負荷低減と若手船員の確保・育成という内航海運が抱える複数の課題を同時並行に解決する優れたソリューションと考えられます。
同社は、本年8月に旭タンカー株式会社、株式会社エクセノヤマミズ、株式会社商船三井及び三菱商事株式会社の共同出資で新たに設立された会社ですが、10月15日付けでプレスリリースのあったとおり(http://www.e5ship.com/pdf/2019-10-15.pdf)、既に、蓄電池・水素燃料電池併用のタグボートの具体化に着手しており、船舶の電動化・ゼロエミッション化の旗手として、今般認定した先進船舶導入等計画を迅速かつ着実に進めて行くことが期待されます。
国土交通省としても、本認定制度の活用等を通じ、引き続き海運からの環境負荷の低減に向けた取組を進めて参ります。
※大容量の蓄電池を用い、電気のみを動力源とする船舶。
添付資料
報道発表資料(PDF形式:179KB)
別紙(PDF形式:168KB)
お問い合わせ先
- 国土交通省海事局 海洋・環境政策課 加藤、堤