2025-12-22 オークリッジ国立研究所(ORNL)
米国エネルギー省傘下のオークリッジ国立研究所(ORNL)とテネシー大学の研究チームは、電力網の挙動をリアルタイムで詳細に把握できるコンパクトなセンシング機器「Universal GridEdge Analyzer」を開発した。この装置は電圧や電流の微細変動を波形として捉え、ほぼ即時にデータを圧縮・暗号化して中央サーバーへ送信できるため、これまでの技術の約500倍の速度で電力電子機器の迅速な動作を観測できる。特にデータセンターや分散型蓄電設備など、電力電子機器が多く接続される現代の電力網において、瞬時の変動が全体の安定性へ影響を及ぼす可能性があるため、こうした高速センシングは運用改善や安定供給に寄与すると期待される。本機は配電線への埋め込みや壁コンセントへの直接接続が可能であり、ハワイ州やテキサス州での実証運用が進んでいる。なお開発成果は世界的な技術賞であるR&D100賞にも選ばれている。

The compact GridEdge Analyzer developed by the University of Tennessee and ORNL can be embedded into power electronics or even plugged into a wall outlet to measure the smallest changes in electrical voltage and current. Credit: Amy Smotherman Burgess/ORNL, U.S. Dept. of Energy
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