従来法の限界を超えた、複数光子の量子状態の実現と検証に成功~光量子コンピュータや光量子センシングに貢献~

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2023-12-25 京都大学

従来法の限界を超えた、複数光子の量子状態の実現と検証に成功~光量子コンピュータや光量子センシングに貢献~
図1 実現した、多数の光子による複雑な量子状態の生成と検証方法のイメージ図

電子や光子などの量子は、通常の物体とは異なった振るまいをします。その量子の状態を制御することで、飛躍的な計算能力を実現する量子コンピュータや、盗聴不可能な暗号を実現する量子暗号、さらに、従来の計測技術の限界を超える量子センシングなど、「量子技術」の研究が精力的に進められています。その中でも、光子は、長距離伝送が可能で、また室温でも量子状態が保存されるため、有力な担体です。

今回、電子工学専攻朴 渠培(パク コベ)博士課程学生、岡本亮同准教授、竹内繁樹同教授らの研究グループは、広島大学 Holger F. Hofmann教授と共同で、単一光子源と線形光学素子のみでは実現が不可能な複雑な量子状態(非フォック状態)の存在を理論的に明らかにし、光量子回路を用いて最も本質的な非フォック状態(iNFS)を実現、さらにiNFSに特徴的な性質を用いて生成の検証実験に初めて成功しました。今回実現した方法は、多数の光子による複雑な量子状態の生成と検証方法を提案、実証したものであり、光量子コンピュータや、光量子センシングなどの応用にもブレークスルーをもたらすものです。

本成果は、2023年12月22日14:00時(現地時間)に米国の国際学術誌「Science Advances」にオンライン掲載されました

研究詳細

従来法の限界を超えた、複数光子の量子状態の実現と検証に成功―光量子コンピュータや光量子センシングに貢献―

研究者情報

岡本 亮
竹内 繁樹

書誌情報

タイトル
Realization of photon correlations beyond the linear optics limit
(線形光学素子の限界を超えた光子相関の実現)

著者
朴 渠培(京大)、松本一勢(京大)、清原孝行(京大)、Holger F. Hofmann(広大)、岡本亮(京大)、竹内繁樹(京大)

掲載誌
Science Advances

DOI
10.1126/sciadv.adj8146

1700応用理学一般
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