2023-02-15 ノースウェスタン大学
◆ナノ粒子の垂直方向の間隔が、水平面内の粒子間間隔の1,000倍であっても、1つの格子をもう1つの格子に積み重ねると、ナノ粒子は互いに相互作用することができるのである。
◆ナノ粒子は超長距離で通信できるため、この積層構造はリモートセンシングや検知に応用できる可能性がある。
◆この研究は、今週(2月13日)、学術誌『Nature Nanotechnology』に掲載されました。
◆研究チームはまず、ナノ粒子の2次元アレイからなるフォトニック格子を、水平方向の結合を促進するような間隔でパターン化し、単層の光学材料を作製した。次に、同じナノ粒子格子を重ね合わせることで、1層だけでは得られない新しい光学特性をもつ2層および多層格子を作製することに成功した。
◆研究者達は、一方の格子を他方に対して回転させることで、パターンが光とどのように相互作用するかを変えられることを発見しました。この積層材料は、ねじれの角度によって、異なる角度で発光するナノレーザーとして機能する。この知見は、ナノレーザー特性を設計するための新しいアプローチを開くものである。モアレレーザー発光の方向とパターンは、リアルタイムで制御することができる。
◆論文の筆頭著者で、Odom教授の研究室のポスドク研究員であるJun Guan氏は、「これは新しいタイプのバイオメディカルセンサーの開発に利用できます」と話す。「これらのデバイスは、体内の変化に反応するように設計することができ、患者の健康状態に関する重要な情報を提供することができます。血液環境中の化学物質にわずかな変化が生じると、光がフォトニック格子のまわりで曲がる様子が変化します。この変化はモアレパターンによって拡大され、対応するレーザー発光の角度によって読み取られます。”
<関連情報>
モアレ・フォトニック・ラティス間の遠距離電界結合 Far-field coupling between moiré photonic lattices
Jun Guan,Jingtian Hu,Yi Wang,Max J. H. Tan,George C. Schatz & Teri W. Odom
Nature Nanotechnology Published:13 February 2023
DOI:https://doi.org/10.1038/s41565-023-01320-7
Abstract
Superposing two or more periodic structures to form moiré patterns is emerging as a promising platform to confine and manipulate light. However, moiré-facilitated interactions and phenomena have been constrained to the vicinity of moiré lattices. Here we report on the observation of ultralong-range coupling between photonic lattices in bilayer and multilayer moiré architectures mediated by dark surface lattice resonances in the vertical direction. We show that two-dimensional plasmonic nanoparticle lattices enable twist-angle-controlled directional lasing emission, even when the lattices are spatially separated by distances exceeding three orders of magnitude of lattice periodicity. Our discovery of far-field interlattice coupling opens the possibility of using the out-of-plane dimension for optical manipulation on the nanoscale and microscale.