2022-01-25 アメリカ合衆国・ハーバード大学
・ ハーバード大学、米国陸軍戦闘能力開発コマンド(DEVCOM ARL)および DRS Daylight Solutionsが、0.25~1.3THz の周波数域で 120 本のレーザー線を生成し、室温下で作動するコンパクトなテラヘルツレーザーを開発。
・ 電磁スペクトルのマイクロ波と赤外線の間に位置し、画像化やセキュリティ、通信等の重要な技術となるテラヘルツ周波数帯域の利用は、テラヘルツ源のサイズ、非効率性、生成する周波数が限られた低温度デバイスへの依存により、困難となっている。
・ 同大学は 2019 年に MIT と米国陸軍と共同で、量子カスケードレーザーポンプと亜酸化窒素分子レーザーを組み合わせた、室温下で作動する広周波数域のコンパクトなテレヘルツレーザーのプロトタイプを開発している。
・ 本研究では、亜酸化窒素をフッ化メチルに変更した。光場と強力に反応する無毒性のフッ化メチルは、赤外光の吸収とテラヘルツ波の放出に優れ、プロトタイプの 3 倍を超える周波数範囲を可能にする。
・ フッ化メチルは約 50 年前にもテラヘルツレーザーとして利用されたが、大型の CO2 レーザーのポンピングでは生成できるレーザー周波数が制限されていた。新レーザーは、これまでに開発された最もコンパクトなテラヘルツレーザーの一つとなり得るがさらなる小型化を進める。
・ 本研究は、米国陸軍研究局(ARO)が一部支援した。
URL: https://www.seas.harvard.edu/news/2022/01/leap-forward-terahertz-lasers
<NEDO海外技術情報より>
(関連情報)
APL Photonics 掲載論文(フルテキスト)
A quantum cascade laser-pumped molecular laser tunable over 1 THz
URL: https://aip.scitation.org/doi/10.1063/5.0076310