「津波ハザードステーション(J-THIS[ジェイディス])」に新機能

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データダウンロード機能やWeb API機能により、さらに使いやすくなりました

2022-03-23 防災科学技術研究所

1.概要

「津波ハザードステーション(Jジェイ-THISディス)*1」(https://www.j-this.bosai.go.jp/)は、地震調査研究推進本部地震調査委員会が公表した「南海トラフ沿いで発生する大地震の確率論的津波評価」(以下、「津波評価」)をウェブ上で詳しく閲覧できる、日本初の確率論的津波ハザード情報*2の提供システムであり、2020年2月に運用を開始しました(https://www.bosai.go.jp/info/press/2019/20200221.html)。J-THISでは、南海トラフ沿いで発生する大地震に伴う津波について、今後30年以内に一定高さ以上の津波が海岸に来襲する確率(南海トラフ沿いで大地震が起きたと限定した場合の超過確率*3;以下、「南海トラフ地震に対する超過確率」)を背景地図と重ねて表示することや、海岸の各地点における津波の高さ(以下、「最大水位上昇量*4」)と南海トラフ地震に対する超過確率の関係を閲覧することができます。また、より専門的なデータの利活用を可能とするため、津波評価に用いた波源断層モデル*5ごとに計算された最大水位上昇量を背景地図と重ねて表示することや、4種類のメッシュサイズの海底地形図を重ねて表示することができます。
利用者それぞれの目的に応じて効果的に利活用できるシステムであることを目指し、今回新たな機能を追加しました。

2.新機能

新たにデータのダウンロード機能とWeb API*6機能を、J-THISに追加しました。

(1)ダウンロード機能
J-THISが提供する津波ハザード情報を数値データとして提供する機能を追加しました。具体的な提供内容は以下の通りです。
  1. 最大水位上昇量3m/5m/10m 30年超過確率分布(Shape形式、CSV形式)
  2. ハザードカーブ*7(CSV形式)
  3. 選択した波源断層モデルによる最大水位上昇量分布(Shape形式、CSV形式)
  4. 波源断層モデル(CSV形式)
    ・波源断層モデル(波源断層モデルのマグニチュードやすべり量等の諸元)
    ・断層パラメータデータ(津波の初期水位となる地殻変動量を計算するためのパラメータ)

ダウンロードはJ-THIS画面からご利用下さい

「津波ハザードステーション(J-THIS[ジェイディス])」に新機能

「確率論的津波ハザード評価」画面からのダウンロード

「波源断層モデル・津波伝播遡上計算」画面からのダウンロード

(2)Web API機能
利用者が独自に構築したシステムにJ-THISが提供する津波ハザード情報を直接的に取得できる機能を追加しました。WMTS形式は、GISソフトやWeb GISにレイヤとして取り込むことができます。CSV形式は、URLを指定することによってブラウザでダウンロードすることやEXCELに直接取り込むこと等が可能です。
コンテンツ

30年超過確率分布

最大水位上昇量3m
形式:WMTS
URL:https://www.jthis.bosai.go.jp/NKD_hzmap_part1app_2020/wmts/1.0.0/
LAYER:maxlevel3
最大水位上昇量5m
形式:WMTS
URL:https://www.j-this.bosai.go.jp/NKD_hzmap_part1app_2020/wmts/1.0.0/
LAYER:maxlevel5
最大水位上昇量10m
形式:WMTS
URL:https://www.j-this.bosai.go.jp/NKD_hzmap_part1app_2020/wmts/1.0.0/
LAYER:maxlevel10

ハザードカーブ

形式:CSV
URL:https://www.j-this.bosai.go.jp/api/hazardcurve_csv?version=part1app2020&point=パラメータ
パラメータ:ハザード評価点名

波源断層モデル

波源断層モデル情報
形式:CSV
URL:https://www.j-this.bosai.go.jp/api/wavesource_csv?version=nkd& code=パラメータ
パラメータ:波源断層モデルコード
すべり量分布
形式:WMTS
URL:https://www.j-this.bosai.go.jp/NKD_slip/wmts/1.0.0/
LAYER:波源断層モデルコード

波源断層モデルによる最大水位上昇量分布

形式:WMTS
URL:https://www.j-this.bosai.go.jp/NKD_relative_level/wmts/1.0.0/
LAYER:波源断層モデルコード

補足説明資料
*1 J-THIS(ジェイディス)
Japan Tsunami Hazard Information Station、訳:津波ハザードステーション。
*2 確率論的津波ハザード情報
本システムでは、南海トラフ沿いで発生し、津波の原因となる様々な地震について、長期的な地震発生の確率とその地震によって発生する津波の高さを推定することで、津波に見舞われる可能性を海岸沿いの地点ごとに定量的に評価した情報を提供します。
*3 超過確率
ある地点で、一定の期間内(例えば30年)に、来襲する津波の高さがある値を超える確率。本システムでは、今後30年以内に3m以上の津波が来襲する確率、5m以上の津波が来襲する確率、および10m以上の津波が来襲する確率を表示することができます。
*4 最大水位上昇量
東京湾平均海面(T.P.)を基準面とし測定した最大水位から地震発生によるその地点での地盤変動量を差し引いた相対的な水位の上昇量。
*5 波源断層モデル
断層面の位置・形状が与えられ、断層すべりの不均質性が指定されたモデルを、「波源断層モデル」といいます。
*6 Web API
HTTPリクエスト(URL)に対して、テキスト情報や画像等を応答する仕組みです。
*7 ハザードカーブ
ある地点に来襲する津波の高さ(最大水位上昇量)とその超過確率の関係を曲線(グラフ)で表すことができます。この曲線のことを「ハザードカーブ」といいます。
1603情報システム・データ工学
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