2026-01-07 オークリッジ国立研究所(ORNL)
米国オークリッジ国立研究所(ORNL)では、ニュートロン散乱技術を使って原子力潜水艦の構造健全性向上に取り組む研究が進んでいる。原子力潜水艦の耐圧殻は多数の鋼板が溶接されて形成されるが、熱影響による残留応力が原因で「延性低下割れ(DCC)」が発生し、溶接部強度を長期的に損なう問題がある。研究は米海軍、Electric Boat社、コネチカット大学と共同で行われ、高フラックス同位体炉(HFIR)内の高強度ニュートロン回折装置(HIDRA)を用いて、厚い金属内部の残留応力と微視的な構造変化を非破壊的に解析している。この手法はニュートロンが物質内部に深く浸透する特性を活かし、溶接部の応力分布や欠陥を可視化し、亀裂発生のメカニズムを解明することができる。最終的に、溶接条件の最適化や材料設計によって潜水艦構造の安全性と耐久性を高めることを目指す。

The pressure hulls of U.S. Navy nuclear submarines consist of many steel plates joined by precision manual or robotic welding methods. The long-term integrity of the welded joints are the subject of neutron experiments at ORNL. Artistic rendering. Credit: Phoenix Pleasant/ORNL, U.S. Dept. of Energy
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