2024年の地球陸域炭素吸収量が半減したことを発見(PKU Study Finds Global Land Carbon Sink Halved in 2024)

2025-11-04 北京大学(PKU)

北京大学碳中和研究所の研究チームは、独自開発したAIモデル「Carbon Mind」を用い、2024年の世界の陸域炭素吸収量が過去10年平均の半分以下に減少していたことを明らかにした。AIが衛星観測や気象データを統合解析した結果、熱帯域での吸収低下が顕著で、特に草原・サバンナが高温・乾燥ストレスによって大幅に機能を失っていた。一方、熱帯雨林の低下率は比較的小さく、乾燥地帯の脆弱性が浮き彫りとなった。2024年の極端気象(エルニーニョ、熱波、干ばつ)が主要因とされ、従来想定よりも熱帯陸域の炭素シンクは不安定であることが示唆された。Carbon Mindは従来1年遅れで算出されていた炭素収支をリアルタイムに近い形で推定でき、今後の気候変動監視や政策立案への応用が期待される。成果はNature Climate Change誌に掲載。

2024年の地球陸域炭素吸収量が半減したことを発見(PKU Study Finds Global Land Carbon Sink Halved in 2024)
図: 2024年の世界および地域陸域生態系における異常な炭素吸収源と、直近2回の強力なエルニーニョ現象。

<関連情報>

AI追跡によると、2024年には世界の陸上炭素吸収量が半減する
AI-tracked halving of global land carbon sink in 2024

Heyuan Wang, Kai Wang, Tao Wang, Zhe Jin, Hanzhi Deng, Yanchen Gui, Wei Chen, Yilong Wang, Xiangjun Tian, Tengjiao Wang
Science Bulletin  Available online: 15 October 2025
DOI:https://doi.org/10.1016/j.scib.2025.10.015

1702地球物理及び地球化学
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