2025-11-03 フラウンホーファー研究機構
フラウンホーファーIFAM(製造技術・応用材料研究所)の研究チームは、航空機の翼に付着する氷を効率的に除去する「振動除氷システム」を開発した。電熱や化学薬品を使う従来法とは異なり、翼表面に埋め込まれた圧電アクチュエーターを瞬時に振動させ、氷層を機械的に剥離させる仕組みである。試験では、わずか数ミリ厚の氷も短時間で除去可能で、電力消費を最大90%削減できた。システムは既存翼構造に適用可能で、ドイツ航空宇宙センター(DLR)と共同で航空機・風力タービンへの応用研究を進行中。特に極寒環境での安全性向上と燃費改善に寄与すると期待される。今後はアクチュエーター配置と制御アルゴリズムの最適化を行い、実機試験を予定している。

© Fraunhofer LBF
Simulation of a wing vibration showing a typical eigenmode like that occurring in vibration.
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