2025-07-28 株式会社東芝,日本電気株式会社,情報通信研究機構
東芝、NEC、NICTによる共同研究チームは、次世代情報通信基盤「IOWN Open APN」対応の大容量光伝送システムに世界で初めて量子鍵配送(QKD)技術を統合する実証に成功しました。通信キャリアの基幹光ネットワーク上で、通常の高速データ通信と異なる方式(東芝のBB84方式、NECのCV方式による)を用いた2種のQKD信号を同一ファイバ内で多重伝送し、鍵共有を8時間連続で継続実施。鍵生成と47.2Tbps相当のデータ伝送をエラーなく両立させることで、従来の専用ダークファイバを必要としない低コスト・広域展開可能な量子安全通信サービスの実現可能性を示しました。
本実証は、Open APN上でQKDと大容量通信の共存を実現する世界初の事例であり、通信キャリアの基幹系ネットワークに安全な量子鍵配送を導入する新たな道を切り拓くものです。将来的に、金融、政府、クラウドサービスなど高度セキュリティを要する分野に低コストで広範なQKDサービスを展開できる可能性があります。

図1 QKDリンクと大容量光伝送システムとの共存実験の構成
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