2024-11-12 地震調査研究推進本部地震調査委員会
1.主な地震活動
目立った活動はなかった。
2.各領域別の地震活動
(1)北海道地方
目立った活動はなかった。
(2)東北地方
〇 10 月 18 日に岩手県沖の深さ約 40km で M5.4 の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。
(3)関東・中部地方
○ 1月1日に石川県能登地方で発生した M7.6 の地震の震源域では、地震活動が低下してきているものの、2020 年 12 月から活発になった地震活動は依然として継続している。10 月 1 日から 10 月 31 日までに震度1以上を観測した地震は 14 回(震度2:6回)発生している。10 月中の最大規模の地震は、9日 20 時 19 分に発生した M4.3 の地震(最大震度2)である。なお、9月中に震度1以上を観測した地震は 18 回であった。
GNSS観測によると、1月1日の M7.6 の地震の後、およそ 10 か月間に舳倉島観測点で南東方向に約5cm の水平変動など、能登半島を中心に富山県や新潟県、長野県など広い範囲で1cm を超える水平変動、能登半島北部では輪島観測点で約8cm の沈降が観測されるなど、余効変動と考えられる地殻変動が観測されている。
石川県能登地方の地殻内では 2018 年頃から地震回数が増加傾向にあり、2020 年 12 月から地震活動が活発になり、2022 年6月には M5.4、2023 年5月には M6.5、 2024 年1月には M7.6、6月には M6.0 の地震が発生した。一連の地震活動において、2020 年 12 月1日から 2024 年 10 月 31 日までに震度1以上を観測する地震が 2456 回発生した。また、2020 年 12 月頃から地殻変動も観測されていた。
これまでの地震活動及び地殻変動の状況を踏まえると、2020 年 12 月以降の一連の地震活動は当分続くと考えられ、M7.6 の地震後の活動域及びその周辺では、今後強い揺れや津波を伴う地震発生の可能性がある。
○ 10 月 14 日に東京湾(*1)の深さ約 70km で M4.5 の地震が発生した。この地震の発震機構は東西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界で発生した地震である。
(4)近畿・中国・四国地方
目立った活動はなかった。
(5)九州・沖縄地方
目立った活動はなかった。
(6)南海トラフ周辺
○ 南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない。
*1:気象庁が情報発表に用いた震央地名は「千葉県北西部」である。
注:GNSSとは、GPSをはじめとする衛星測位システム全般を示す呼称である。